[ワシントン 23日 ロイター] - 米S&Pグローバルが23日に発表した11月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は46.3と、10月確定値の48.2から低下した。景気拡大・縮小の節目である50を下回ったのは5カ月連続。金利上昇に伴う需要鈍化を背景に新規受注が2年半ぶりの低水準に落ち込んだ。

新規受注指数は46.4と10月の49.2から低下し、2020年5月以来の低水準を付けた。新型コロナウイルス感染拡大の第1波を除けば09年以来の低水準だった。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「企業は、生活費の上昇、借り入れコストの上昇を中心とする金融情勢の引き締まり、国内外での需要鈍化などによる逆風が強まっていると報告している」と述べた。

一方、インフレ鈍化の兆しも示された。投入価格指数は65.7と10月の67.0から低下し20年12月以来の低水準。供給のボトルネック緩和を受けた。

製造業PMIは47.6と10月の50.4から低下し、20年5月以来の低水準。ロイターが調査したエコノミスト予想は50.0だった。

サービス業PMIは10月の47.8から46.1に低下した。

オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)の米国担当リード・エコノミスト、オーレン・クラッキン氏は、現時点でリセッション(景気後退)には陥っていないが、2023年に経済状況が悪化すると引き続き確信していると指摘。ただ「家計や企業に目立った不均衡がないため、リセッションは標準的なものになるだろう」と述べた。