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塩野義「ゾコーバ」を緊急承認 新型コロナ飲み薬 厚労省

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    総合内科医 医学博士

    一言でいうと、「投与するメリットがほとんどない高額な薬が承認されてしまった」というネガティブなニュースです。

    例えば、既に使用されている経口コロナ治療薬であるパクスロビドは入院や死亡率を90%減らすという効果を示していました。重症化リスクのある人に早めに投与することで入院を減らし、医療逼迫の軽減につながるゲームチェンジャーとなる薬でした。

    今回緊急承認されたゾコーバは重症化や入院を抑制する効果は確認されておらず、症状を8日間から7日間に短縮しただけです。国産の薬がパクスロビドなどと同様の効果を示すことができていれば素晴らしい結果だったのですが、残念ながら薬を投与するメリットとしては雲泥の差があります。報道を見た患者さんが処方を求めることはあったとしても、データを見た医師で使用したいという人は少ないでしょうし、海外で使われることはほぼ無いでしょう。

    客観的に見れば既存の経口治療薬がある中でゾコーバを緊急承認するべき根拠は乏しいですが、「国産」への期待がバイアスになった可能性があります。詳細はBuzzfeedの記事にまとめられています。
    https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/s-217622-6


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    マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

    残念ながら、公表されているデータを拝見すると、今回の試験でも「発熱やせきなど5症状が消えるまでの時間が約24時間短縮され」るとは必ずしも読めません。被験者の中ではそれが見られましたが、母集団である人口全体で推定した際には、78.7時間短縮から、11.7時間延長までの幅広い推定値が示されています。

    ここで重要なのは、この推計値が「0時間」を跨いでいることです。それはすなわち、私たち一般人口にあてはめた場合、短縮するのか延長するのかが分からないということを意味します。結果的に、「症状消失までの時間に差がない」という試験前の仮説は棄却できず、結論として(24時間という数字が1人歩きしているものの)「症状を短縮する十分な根拠は得られなかった」とするのが妥当だと思います。

    それでもなお、他に同様の効果を持つ(特に重大なアウトカムを改善する)薬がない状況であれば、副次的な結果からの「緊急承認」は十分妥当化されるかもしれませんが、そうではない状況において、この結果をもとに「緊急承認」の判断が行われるのは正直なところ驚きです。

    副作用リスク、コストの面を含めると、現在までに示されたデータからは、その使用を妥当化するだけの十分な根拠が示されていないように見えます。後に議論を呼ぶ判断となりそうです。

    参考(シオノギ公表資料)
    https://www.shionogi.com/content/dam/shionogi/global/investors/ir-library/presentation/2022/E_RD_221012_final2.2.pdf


  • WithMetis 代表取締役 理学博士(物理学)

    審議会などの審査報告書はこちら。
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29325.html
    承認が出てよかったです。ファイザーのパキロビットと標的タンパク質は同じですから、第一相の安全性試験をクリアし、その前の前臨床までの結果に偽りがなければ成功確率は高いのです。(現在の医薬品の臨床試験は、第2相、第3相の有効性試験で落ちることが多いですが、これらは、標的選定の誤りや、有効性のある患者集団を選抜しきれていないことが原因であると思われます)

    7月に第2相の段階で一度承認を行いましたが、その時は、承認を見送りました。今回、第3相試験で承認申請をしたということで、緊急承認制度を使用していないのかと思いましたが、8月時点までの中間解析の結果で承認申請をしており、ここで緊急承認の制度を使用したものと思われます。

    まず、抗ウイルス効果をもつ化合物を見出す研究の段階ですが世界で売上トップ100の医薬品創出数で世界3位の力をみせたと思います。また、化学合成品に限れば、昨年までの調査では世界で2位でした。(今年度の調査では3位)
    https://www.jpma.or.jp/opir/news/067/11.html
    https://www.jpma.or.jp/opir/news/064/09.html
    ファイザーのパキロビットとは標的タンパク質が同一ではあるものの、薬となった化合物の構造は、全く異なっていますので片方で耐性が出てきた場合にも、もう片方は有効性を持つという事が十分に期待でき、その意義は大きいと思われます。

    次に臨床開発の段階ですが承認が出たのは、ファイザーに比べると9か月遅れています。これは患者数の確保のところが大きく効いてきそうです。実は、日本の臨床試験の遅さということがよく言われているのですが、今回はオミクロンへの変わり目に当ったためなど不可抗力であったのか、それとも臨床試験の元々の効率の相対的な悪さによるものが調査が必要と思われます。

    最後に緊急承認です。制度は適切に運用されたのか検証が必要でしょう。第2相の段階でも有効性があるという傾向が出ていたものの、統計学的な有意差はついていませんでした。有意差が付くというのは、100回やって95回間違いはないなど厳しい基準です。緊急性と比較して妥当だったのかは考察が必要です。


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