時速300キロ以上の暴風が…日本を襲う「スーパー台風」未来の危機に立ち向かう研究者の思い
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これまで経験したことがない規模の台風が、日本を襲うかもしれません。
気候変動の影響で、「スーパー台風」上陸の可能性が高まっています。時速300キロ以上の暴風、高潮被害は「伊勢湾台風」を超える恐れも。
「スーパー台風」による災害を軽減させるため、その勢力をコントロールしてしまおうという「台風制御」の研究も進んでいます。
目標は2050年。産官学をあげて取り組みが始まっていますが、自然に手を加える是非という哲学的な課題も含め、ハードルは少なくありません。
こうした課題を乗り越えるため、台風研究の第一人者の名古屋大・坪木教授は、自ら「スーパー台風」に飛行機で飛び込んで直接観測をしています。
「巨大な構造体を前に、人間の弱さと自然に対する畏敬の念を感じました」
「未来の危機」に立ち向かう第一線の研究者を取材しました。
注目のコメント
温暖化による台風への影響についてはまだまだ研究途上ですが、どうやら台風の発生数そのものは減るものの、個々の台風については勢力が強くなる傾向があるのではないかと言われています。日本にとって脅威なのは、今までは台風が弱まりながら近づいてくることがほとんどであったのに対し、温暖化が進めば現在の沖縄のように台風が強まりながら接近して、もっとも発達したタイミングで本州付近に上陸するような場合がそれなりに増えるであろうことです。
すでに2019年台風15号(房総半島台風)はそうした事例の一つといえるようなものですし、記事中にある2013年台風30号も、台風が最盛期を迎えたその時にレイテ島に上陸したことで大きな被害を招きました。
過去50年程度では日本において伊勢湾台風のような高潮による甚大な被害は発生していませんが、たまたま台風の進路がよく大きな高潮になっていないだけで、今後いずれ発生すると言われています。温暖化によりもともとの海面も上昇してきますので、高潮による被害がより大きくなることが心配されています。
日本においては現在気象庁が台風の直接観測を行うことがないために観測機会が少なく、ほとんどが衛星写真からの推定によっています。今後台風を直接観測することで、台風予報の精度を向上させたり、台風に関するデータベースを蓄えて知見を高めたりする必要があります。グローバルホークのような無人機を導入することで台風の直接観測も安全に行えるようになりましたので、やはり台風という一つの現場を積極的に覗こうとする努力は重要になってくると思われます。私も注目している台風の直接観測プロジェクト、着々と進んでいますね。その様子を記事で知ることができて嬉しいです。この観測で得られたデータが今後の防災に役立つことを、おおいに期待しています!