「イーロン・マスクに頼られる男」が明かす…! ツイッター買収の“知られざる舞台裏”と“これからのこと”
コメント
選択しているユーザー
注目のコメント
Twitterとの訴訟でElonの代理人を務めたQuinn EmanuelのManaging PartnerであるQuinn弁護士のインタビュー。日本語でのインタビュー記事は珍しい。が、注意して読む必要がある内容だと感じた。
まず、代理人が直近の事件について語る場合、その内容には強烈なバイアスがかかる可能性が極めて高い(私自身についてもそうなる可能性は高いと思う。)。その点を、念頭に置いて、記事を読む必要がある。
Quinn氏は、Twitter経営陣が、和解交渉中に、買収価格の減額と引き換えにゴールデン・パラシュートと請求権の放棄を要求してきたと主張している。(記事中では、ツイッター社に対する「請求権放棄」を要求したかのように書いてあるが、ツイッター社はElonのものになるわけだから、会社に対する放棄は意味がない。Quinn氏が語ったのは、「経営陣に対する請求権の放棄」についてだったのだろう。)
仮に本当にこのような交渉したのだとすると、Twitter経営陣は、Fiduciary Dutyに反する行為を行ったと評価される可能性がある。なぜなら、買収価格を下げるという株主の利益を害することと引き換えに、自らの経済的利益を確保しようとしたということだからである。双方に名だたる弁護士がついていた中で、本当にこんなことが起きたのだろうか。事実が歪曲されていたり、一部のみが都合よく切り出されていないかどうか、慎重に読む必要がある。
また、交渉中の経緯について一方的な情報開示を行うことが、守秘義務違反にならないかという点も気になる。t
更に、Elonは最終的に当初契約の内容に従い買収を完了させたのであるから、Twitter社の請求を全面的に認めたも同様である(要は、完全敗訴と同じ。)。そこに至る過程の中で、なぜ上記のような交渉がなされることになったのか、私にはうまく想像ができない(ただこれは単に想像力不足かもしれない)。
最後に、蛇足だが、インタビューの締めとして、Quinn氏に日本の高齢社会について、コメントを求め、その内容が記事化されているが、何の意味があるのかまったくもって不明である。Quinn氏のコメント内容は、きわめて理解の浅いものが、それは仕方がないだろう。一般的な米国人の認識はこんなものだと思う。きっとQuinn氏も戸惑ったのではないだろうか。顧問弁護士がクライアントについて語るというのはすごく珍しいケースですね。流石に許可を取っていそうな気がするので、そういう立場での発言として見るべきですが、内容は極めて法律に則って真っ当ではありますね。