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FRBはインフレ抑制に向け、今後も0.75ポイントの利上げを検討しているようです。
1970年代にも高インフレが起き、その時にボルガー氏が利上げを緩和したことが原因で落ち着いていたインフレが一気に再上昇したという事例があります。この教訓がある限り、なかなか利上げを緩和するということにはならないでしょう。
現時点で10月単月の物価指標が市場予想を下回っているだけなので、データ次第とするFRBとしても慎重にならざるを得ないのだと思います。
次回FOMCで0.5%利上げを予想する声が大きい中、こうした発言をしておくことで予防線を張っているようにも感じました。
利上げ幅の議論はいわゆる“オーバーキル”(やりすぎによる弊害)とあわせて行われます

まず一定の金利水準自体が引き締め効果をもちますが、それを引き上げるということはそれを加速させるということになります(*1)。現状で高水準となっている金利を上げる、とくに大幅に上げるという場合、効果の出過ぎを心配するわけです
一方で物価に関してはインフレ率で見ます、具体的にはインフレ率2%を基準にしますが(*2)、その上方への乖離が大きい場合は金利水準を引き上げます

そして昨今は、「引き上げ幅」の議論となっています、これはターミナルレート(最終的な金利目標水準)が決まっている場合はそれに対してどうアプローチするか(一気に上げるか、時間をかけて徐々に上げるか)の議論となります

またターミナルレートの水準に関しても並行して議論がなされています

最後にこれは重要ですが、金融政策が資源高のインフレに対してどの程度有効かはじつはよくわかっていないところがあります

というわけで、モデルによる計算等はあるものの不確実な現実に合わせて要人たちが意見を言い合って議論をすることでよりよい政策判断につなげる、というプロセスをとっていますが、とくに数十年ぶりの高インフレという稀な状況が続く昨今ではベストではないかもしれないがベターを模索する上では非常に有効なメタ的方法論と思います

このコリンズ総裁の意見もそうしたプロセスのなかのひとつです


*1:経済をそれ以上過熱も減速もしない金利水準を「中立金利」といいます
*2:インフレ率目標が2%の場合
「現時点では、インフレ率全体が低下しているという明確で重要な証拠は見当たらない」
ちなみに10月の米国の消費者物価指数は前年同月比7.7%上昇でした。
エネルギーと食品を除いた上昇率は6.3%で、約40年ぶりの高水準だった9月の6.6%からは縮小していました。
【米消費者物価、10月7.7%上昇 伸び鈍化も高水準】
https://newspicks.com/news/7778312
FRBの本音は、株高が発する楽観のシグナルを抑制したい、だと思います。株価が下がれば、企業経営者は先行きに慎重になり新規求人を控えるため賃金も下がり易くなります。個人も損が出れば消費を控えます。最近の物価統計ように、インフレが収まるデータが出ると株高となり逆にインフレが収まらなくなる、このパラドクスを解決するための口先介入と見て良いと思います。