2022/11/19
【週末対話】親子で考える。世界の子どもたちの「環境と暮らし」
NewsPicksが今年8月より、月1回発行している子ども向け新聞「NewsPicks for Kids」(以下、for Kids)。
想定読者は、小学3年生〜中学3年生。「家族でもっと話そう、世界のこと」という理念のもと、「覚えるためのニュース」ではなく、「問いを立て、考えをアウトプットするためのイシュー」をお届けしています。
本シリーズでは、毎月、for Kids最新号の記事を素材として「子どもにどのような問いかけをし、どう対話を広げていけばいいのか?」のTipsを、いくつかの記事をピックアップしながらお届けします。
この週末、ご家庭での会話のタネになれば嬉しいです。
メイン特集:世界の子どもたちの一日
毎年11月20日が「世界こどもの日」だとご存知でしょうか? 日本で「こどもの日」と言えば5月5日ですが、こちらは国連が、第二次世界大戦後の1954年に国際デーのひとつとして制定しました。
地球上には、戦争や紛争、食糧危機などによって、平穏な生活がおびやかされている子どもたちがたくさんいます。
いま平和な世の中をつくるのは大人の役目ですが、子どもたちには未来のために、自分とは違う国や文化があることを知り、理解を深めてほしい。
そんな思いを込め、今月号のfor Kidsの紙面では、世界中の子どもたちがどのような一日を送っているのかをグラフィックにまとめてみました。
世界にはどのような国があるのか? 自分たちの暮らしとなにが同じで、どこが違うのか?
起床時間から授業の長さ、昼食の取り方や自宅学習の長さまで、スケジュールを見比べながら対話を楽しんでいただければと思います。
*1日のスケジュールは、各資料に基づいて作成した小学生の生活の一例です。
たとえば、こんな切り口はいかがでしょう?
①自分の生活を書き出してみよう!
👨「国によって、子どもたちはいろいろな生活を送っているんだね」
👦「うん。でもアメリカと日本は、けっこう似てるかも?」
👨「本当だね! ○○(名前)は学校のある一日、どんな生活を送っているかな? 同じように書き出してみよう」
②子どもが働く国があるの?
👩「子どもたちは、どの国でもだいたい7時くらいに起きるんだね」
👦「あれ、ケニアでは5時半に起きているね。『家畜のお世話をお手伝い』だって!」
👧「学校の帰りには薪拾いをする、とも書いてある。子どもが家の仕事を手伝っているんだね」
👩「家族みんなで力を合わせて暮らしているんだね。ただ、ケニアはとくに農村部で子どもの健康や教育についての問題を抱えてもいるんだよ。どんな問題があるのか、調べてみよう」
(写真:Lipowski/iStock)
③宗教の違いで生まれる、生活の違いは?
👧「ヒンドゥー教では神聖な動物だから、牛は食べちゃダメなんだって。でも、鶏や羊はいいみたい」
👩「不思議だね。世界中にはいろいろな宗教があって、それぞれ食事や服装などのルールに違いがあるんだよ」
👦「そうなんだ! そもそもヒンドゥー教って、どんな宗教なんだろう?」
👩「どの国で、どんな宗教を大切にしているのかも気になるね」
④学校で習う内容の違いは?
👧「インドの子どもは、『20×20のかけ算を覚えることもある』って書いてある。すごい!」
👨「インドは、数学教育に力を入れているからね。さらにIT教育や英語教育も盛んだし、勉強熱心な人も多いから、世界中でインド出身の経営者や学者、エンジニアが活躍しているよ」
👦「国によって、学校で何を習うかが違うんだね!」
👨「インド以外の国では、学校の勉強にどんな特徴があるんだろうね。習う科目や授業の進め方も違うのかな?」
(写真:triloks/iStock)
⑤世界の国々の気候を調べよう!
👩「オーストラリアは日本と季節が逆なんだね。ということは、クリスマスは……?」
👧「夏のイベントなんだね! ちょっと不思議」
👨「その国が地球のどこにあるかによって、気候もだいぶ違うんだ。地球の真ん中、赤道近くにある国は暑いし、北極や南極に近い国は寒いよ。ちなみに日本は、温帯と呼ばれるおだやかな気候の場所が多いんだ」
👦「でも、北海道は寒いし沖縄は暑いよ? それに、ものすごく雪が降る場所もあるし、ほとんど降らない地域もある」
👨「日本は南北に長い国だからね。それに季節風や海流の影響も受けるし、山も多いから、さまざまな気候の地域があるんだ。このページに載っているほかの国は、それぞれどんな気候かな? 調べてみよう」
* * *
NewsPicks内の下記のような記事も、ぜひテーマを深掘りするヒントにしてください。
動画で楽しむクイズコンテンツもご用意していますので、こちらも併せてどうぞ。
サブ特集:レゴブロックはこう作る
サブ特集では、デンマークに本社を置くレゴグループの商品開発についてご紹介します。
レゴ ブロックといえば、玩具店に行けば必ず目にするおもちゃの定番です。
「自分も子どものころに遊んだ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、レゴ製品を発売しているレゴグループは、なんと創業90年の老舗企業。
そして、売上高が世界一のおもちゃメーカーでもあるのです。
なぜレゴ製品は世界中で長く愛され、ヒット商品を生み出しつづけるのでしょうか? その秘密は、商品開発の方法にありました。
【たとえば、こんな対話】
👨「新しい商品を作るときは、『子どもの気持ちになること』を大切にしているんだね」
👧「でも、ほとんどのアイデアが、実際には商品にならないんだって!」
👩「おもちゃ作りは難しいんだね。○○だったら、どんなおもちゃを作る? それはたくさん売れそうかな?」
👨「ほかのおもちゃやゲームは、どうやって作られているんだろう? インターネットや本で、作った人の話を調べてみよう」
👨「新しい商品を作るときは、『子どもの気持ちになること』を大切にしているんだね」
👧「でも、ほとんどのアイデアが、実際には商品にならないんだって!」
👩「おもちゃ作りは難しいんだね。○○だったら、どんなおもちゃを作る? それはたくさん売れそうかな?」
👨「ほかのおもちゃやゲームは、どうやって作られているんだろう? インターネットや本で、作った人の話を調べてみよう」
こちらの記事では、NewsPicksのオリジナル特集「LEGOがすごい!」から、デンマークにあるレゴグループ本社で働く唯一の日本人デザイナー、鈴木淳也さんへのインタビューを掲載しています。
また、お子さんがおもちゃやゲームの商品開発に興味を持ったら、次のような記事や動画についてかみ砕いて話してあげると、さらに深い対話につながるかもしれません。
from NYT:稼いだお金は誰のもの?
「The New York Times For KIds」からは、親が子どもの動画を投稿して稼いだお金を、子どもに分配しようとする動きについてレポートします。
現在のアメリカの法律では、YouTubeなどのSNSで子どもの動画や画像を投稿して稼いだお金は「親のもの」とされています。
それに対し、新しい法律を作り、親が子ども(キッズインフルエンサー)にお金を支払うことを義務づけようとする動きがあるのです。
近年普及したサービスであるからこそ、SNSとの付き合い方について考えなければならないのは大人も同じ。
ぜひ、インターネットやSNSの使い方について、お子さんと対話してみてください。
【たとえば、こんな対話】
👩「子どもの動画で稼いだお金は、アメリカの法律では親のものになるみたいだけど、日本ではどうなのかな?」
👦「僕のダンス動画でお金を稼げたら、全部自分で使いたいなあ」
👧「私と同い年くらいのインフルエンサーは、どれくらいのお金を稼いでいるんだろう?」
👨「自分の動画をお父さんが勝手に投稿して、世界中の人に見られたらどう思う?」
👩「子どもの動画で稼いだお金は、アメリカの法律では親のものになるみたいだけど、日本ではどうなのかな?」
👦「僕のダンス動画でお金を稼げたら、全部自分で使いたいなあ」
👧「私と同い年くらいのインフルエンサーは、どれくらいのお金を稼いでいるんだろう?」
👨「自分の動画をお父さんが勝手に投稿して、世界中の人に見られたらどう思う?」
そのほか、11月号の全ラインナップは、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
身近なニュースを題材に、大人から問いかけることで、お子さんの「なぜ? どうして?」が、ますます湧いてくるはずです。
ご家庭で知的好奇心に溢れた会話がたくさん弾むよう、for Kidsはこれからもさまざまなイシューをお届けしていきます。
来月もお楽しみに!
構成:田中裕子
編集:金谷亜美
写真:吉田和生
デザイン:福田滉平
編集:金谷亜美
写真:吉田和生
デザイン:福田滉平
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