【超解説】堕ちた偶像のFTX、悪夢の2週間を総ざらい
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注目のコメント
取材協力をさせていただきました。
FTX/Alamedaについては、かなり運営がいい加減を超えたような体制になっていた話が次々に連日出てきていて驚いているのが本音です。ここからFTX/Alamedaを知った方にとっては単に偶像の会社を運営していた組織としか思えないかもしれえませんが、本当に今のWeb3分野の一大勢力でしたし、セコイア含めたTop Tierが出資、VISAと提携、多額の寄付やアリーナ命名権の取得、幾度となく行った関連会社経由での投資実行、Coinbaseに次ぐ米国での存在感を含めて、とてもとてもエコシステムに存在感を魅せた勢力でした。
現にSolana含めたLayer1エコシステムでは彼ら抜きでここまでの繁栄がなし得たかで考えると相当大きい影響を与えていたと思っています。そうしたLayer1含めたエコシステム側は今後FTX/Alameda抜きで発展する必要が出てくるので、正念場になると思います。
またこの件でWeb3/Cryptoが全くの詐欺であるという印象を持ってしまう方が増えることも予見されますが、本質的に自分の資産・データを自分で管理するという思想から言えば、取引所だけに資産を預けない世界の構築というビジョンがよりWeb3的であり、多大な債権者を出している現状であり申し上げにくいてすが、その方角に社会が向かっていく兆しとしてこの件から学びを経ていければ良いなと感じています。この一件は、ガバナンスの問題が大きいと思います。
•業界が白熱する中で「いい案件を逃したくない」と思うVCの心理によって、DDが甘くなった/ほとんどしていなかった
•VCも自身の訴訟リスクを回避するため、通常のVC投資なら確保する”board seat”に誰もならず、非公式な”advisory board”に留まった
(FTXに限らず、クリプト業界全体がその傾向にあるようです)
•にも関わらず、FTXとBankmanの個人会社間の取引をきちんと監督する第三者委員会が設置されていなかった/させてもらえなかった
•FTXと個人会社間の取引に問題があるかもしれないことは、その後の財務レポートで見つけられたかもしれないが、指摘する人がいなかった
今回のことを学びにしながら、やらねばいけないことはやりながらも、Web3の無限大な可能性は信じていきたいと思っています。
参照リソース:
https://www.theinformation.com/articles/what-the-ftx-crash-means-for-vcs-and-startups?utm_source=ti_app&rc=jypaau
https://www.theinformation.com/articles/inside-the-venture-fomo-machine-that-powered-sbfs-meteoric-rise?utm_source=ti_app&rc=jypaau本件はFTXの積み重なった不正がバイナンスのM&A交渉にソーシャルメディアで買収交渉先の情報を暴露するという通常はあり得ない形で露呈したという話かと思います。本来は業界の不信感とは別の話の個別の会社の不正という話と個人的には理解しています。FTXの調査に米国側で携わっているのがエンロン事件の調査会社が担当しているというのも皮肉というのか、本件の実際を示しているように思います。
https://www.fastcompany.com/90813323/ftx-worse-than-enron-new-ceo
このような形で仮想通貨関連の業界がダメージを受けるのはとても残念です。
大手2社が信頼を大きく損ねるような事件を起こしてしまっては仕方のないことだとは思いますが。