(ブルームバーグ): 米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は15日、バイトダンス(字節跳動)が運営する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」について、FBIに以前からある国家安全保障上の懸念をあらためて表明した。また、米国内の運営継続を可能にする取引を審査している当局者と見解は一致していると述べた。

米下院国土安全保障委員会で証言したレイ長官は、数百万人に上るユーザーのデータやソフトウエアを管理する目的で中国政府がこのアプリを利用する恐れがあり、 ユーザーが次にどの動画を視聴するかを決める推薦アルゴリズムは、「中国政府が影響力作戦を選択した場合に利用されかねない」と述べた。

「簡潔に言えば、中国の法律では中国企業は基本的に、情報共有や政府の手段になるという点で政府の要望を果たす義務がある」とした上で、「主にそれが理由で極めて懸念される」とした。

FBIはこうした問題を審査している対米外国投資委員会(CFIUS)に懸念を伝えた。

ティックトックの広報担当ブルック・オバーウェッター氏は「レイ長官が指摘したように、FBIの見解は米政府との間で進められている交渉の一部で考慮されつつある」とした上で、「機密協議の詳細について語ることはできないが、米安全保障上のあらゆる妥当な懸念に全面的に対応する方向にあると自信を持っている」とコメントした。

原題:FBI’s Wray ‘Extremely Concerned’ About TikTok Data Issue (2)(抜粋)

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