この連載について
1929年に創刊され、ビジネスを中心に、政治、経済、テクノロジー、ライフスタイルなどを取り扱うアメリカの週間経済誌『Bloomberg Businessweek』から厳選した記事を、NewsPicks編集部が翻訳してお届けします。
この記事の著者 / 編集者
この記事に関連するユーザー
関連する企業
日立金属株式会社(ひたちきんぞく、Hitachi Metals, Ltd.)は、日本の鉄鋼メーカー。 ウィキペディア
業績



新規登録またはログインすると
チャートを見ることができます
新規登録する
ログインはこちら
この連載の記事一覧

【迫真】マイクロソフトが「AI覇権」を握った全真相
NewsPicks編集部 426Picks

【次世代】ハイリスク・ハイリターン技術を支援する米機関とは
NewsPicks編集部 87Picks

【大変化】ついに建機にまで「EV化の波」がやってきた
NewsPicks編集部 254Picks

【進展】全米でTikTok禁止の可能性が高まっている
NewsPicks編集部 131Picks

【特定】米国が警戒する中国のインテル、デル、HP
NewsPicks編集部 182Picks

【激烈】BYD新工場を巡る、東南アジア誘致合戦の行方
NewsPicks編集部 150Picks

【深刻】シリコンバレーで相次ぐ女性幹部の離職
NewsPicks編集部 139Picks

【展望】マスクがツイッターで、「スペースX社の試験、成功!」
NewsPicks編集部 148Picks

【不正疑惑】アダニ株価急落、時価総額1080億ドル消失
NewsPicks編集部 205Picks

【異変】韓国のハイテク業界が不況に直面している
NewsPicks編集部 148Picks
でも、初期の頃から見ていた人間のひとりとしてコメントすると、たとえばゴルフ場を大量に買い込んだ某ファンドの人たちはハゲタカと揶揄されていることを自覚しているので、折り目正しく、地元への挨拶も欠かさず、とひとつひとつ丁寧に進めていく仕事ぶりが印象的でした。なので、非常に紳士的でナイスな人たちが多かったです。
ゴルフ場ってただのだだっ広い土地に見えますが、実際にはとんでもない数の地権者の土地の集合体だったりします。そのため、地権者ひとりひとりを説得していくのが大変。
ファンドの人たちは時には一升瓶を持参して地権者を一軒一軒回って挨拶、時には酒を酌み交わすといったこともしていました。とにかく根気と時間がかかる気の遠くなるような作業です。
そんなファンドに対してハゲタカと言って嫌悪している人たちも多かったわけですが、「それじゃ、あなた、これできますか?」と聞いてみたいといつも思っていました。90年代の当初から「どこがハゲタカなのか?」と見ていました。
そんな冷たい視線を浴びつつも、彼らの考える正しいと信じる道を歩んできた歴史が現在ファンドが市民権を得るに至ったんだと理解しています。
ファンド大国のアメリカではいろんな事業会社から案件が持ち込まれるため”選び放題”ですが、長らく日本ではファンドから事業会社へ案件を提案することで、その後何年かかけてようやく案件化するといった感じでした。
これからは日本でもファンドに案件がたくさん持ち込まれるようになると思います。
それはダイバーシティが叫ばれる昨今、より重要となっている。
ダイバーシティの名の下に役員や社員の価値観が多様化する中で、コンセンサスを醸成することが構造的に難しくなっているようにも感じる。
いろんな考え方があれば、みんな賛成という状況はそもそも難しいわけだが、そこを従来の「一部反対があると物事を前に進めにくい」「反対派も納得してくれるまで説得する必要がある」という構造のままだと、意思決定ができなかったり後ろ倒しになってしまう。
だからこそ、大きな力を持つ存在がトップダウンで物事を動かしていくことも必要となってくる。
当然、その存在の判断が間違っていれば企業には大きなダメージとなるので、容易ではない。
しかし、「判断を後ろ倒しにする悪」は、場合によっては「判断を見誤る悪」よりも大きい。
それは、判断を見誤っても軌道修正によりリカバリーでできうるが、後ろ倒しにする弊害はリカバリーがきかないからである。
日本企業の意思決定構造を社外から強制的に変えるきっかけを埋め込む点でも、ファンドの存在意義は大きい。
但し、重要なのは、ファンド側も、投資先の本質的な事業における中長期的な成長を正面から考えられるかだろう。
時に、ファンドと投資先の立場の違いにより、判断が分かれることもある。
ファンドとしての中長期視点だけでなく、ファンド自身が投資先の中長期視点にも重きをおけるかどうかが、ファンドが日本企業再生の救世主となれるかの分水嶺となる
今年に入って世界的な金利上昇で資金調達しにくい環境となり、M&Aや上場は減少しています。
その中でも積極的な姿勢を見せるベインキャピタルはじめとするPEファンドの今後に期待です。
PE:未上場企業の株式のこと。
▼
すかいらーくは業績を立て直すことに成功し、ベインも株式売却益を手に入れることができるなど、双方にとってwin-winの結果となった。
問題は、なぜ自社の力で再建ができないか。ファンドが有している再建ノウハウとは何なのか。ファンドという組織の力を使わずにCEOのリクルートなど再建をリードする新体制などの手段とどこが違うのか。など、言語化して整理することが大切ですね。企業の多くは順風満帆が続くわけではなく、波乱万丈な道を歩みます。困難な状況に陥ったときどういう戦略を選択するかの際に、この正しい理解は役立つでしょう。多くの企業幹部は実は分かっていないと感じます。
ただ、ベインが手掛けた”すかいらーく”ですが、コロナの影響もあり厳しい状況が続いています。