新着Pick
491Picks
Pick に失敗しました

人気 Picker
先日、報道情報番組で、「”出稼ぎ”日本人」として「ワーキングホリデーを使って、米国、カナダ、オーストラリアで、美容師、和食店、製造工場で働く方々が、日本と同じ仕事内容で、給与が2~3倍もらえ、旅行もできて大変充実している」といった特集がなされていました。
「今こそ、どんどん海外へ」「中高年の方も含め、海外転職の問い合わせが増えている」という流れだったように思います。

私は、複雑な思いがしました。
もちろん、人々が内向きにならず、世界に打って出て行かれることそれ自体は、大変素晴らしいことです。ただ、「出稼ぎ」は、居住地では仕事がない・条件が悪いため、別の場所に行く、相対的に「貧しい国・地域」から「豊かな国・地域」に働きに行く、ことです。もはやそういう時代になってしまった。

「日本にいては条件が悪いため、人が海外に出ていく」、それはまた、「条件の悪い日本には、海外から人が働きに来ない」ということと一体です。技能実習生を劣悪に取り扱っているといった話はそもそも論外ですが、それ以前に、日本は「選ばれない国」になりつつあります。

先般、米国に行きましたが、コロナ前と比べて、物の値段が、円ベースで、1.5~2倍程度に上がっているなと感じました(物価高+円安)。
物価が上がっているのは、諸外国も同様で、むしろ、上昇率は日本より高いわけですが、日本は、賃金が上がらない、構造的に日本経済が弱くなっていることが根本的な問題です。

そういう意味では、今回の電気ガス・ガソリンなどの政府の物価高対策等の「一時しのぎ、バラマキ、一律、根本的解決になってない」、経済対策全体に流れる「将来展望の無さ」「言葉は同じだけど、海外とは本質的に中身が違う(DX、リスキリング、スタートアップ支援など)」が、今の日本の行き詰まり感を象徴しているようで、残念に思います。
最も恐ろしいのは、日本の賃金が上がらず、世界で最も貧しい先進国に落ちぶれているという現実に、ほとんどの日本人が気づいて来なかったことだ。
外資系に身を置きながら日本で働いていた私は、15年以上前から大きな危機感を抱きながら、外資系企業を選んで本当に良かったと胸を撫で下ろしたものだ。
日本で高給取りと羨ましがられる総合商社も、海外勤務した人にすれば、普通に思えるほど他の先進国の賃金は高い。それでいて、企業の利益率は日本のプライム市場上場企業の倍は稼いでいる。
失われた30年で、社員の給料は上げないで、自分の給料は株価連動型のインセンティブを導入して上げながら、内部留保だけやって貯金だけして将来のイノベーションに投資してこなかった大企業のサラリーマン社長は、是非とも猛反省していただきたい。
昔は良かった式の老人の繰り言と嘲られそうですが、日本がまだ成長を続けていた1970年代終盤と日本が豊かさの絶頂期にあった1990年代前半にニューヨークに駐在し、90年代は給料を払う側の立場でもあった私にとって、最近の日本の経済的豊かさの凋落ぶりは目を覆うばかりです。たとえば・・・
コロナ禍直前の2019年2月に古巣のニューヨークを訪れ、かつて日常使いの感覚で馴染んだ中華料理店とシーフード店を訪ねてみたところ、店の雰囲気は昔と全く変わらず懐かしいのに、今では簡単には入れない日本の高級レストラン並みの値段になっていた。米国の人たちはたぶん、昔と同じ感覚で使っているのでしょう。当時高級店と言われたところには、怖くてとても近づけません。このところのインフレ率の差と円安で、変化は更に大きくなっているに違いありません。
日本の政府が先進国はおろか比較可能な世界の国々の中で最大規模のGDP比の借金をして国民にカネを配って支え続けたにも拘わらず、日本の庶民はそれほど貧しくなっているのです。日本の良いところを見つけて日本はまだまだ大丈夫と言いたい気持ちはわかるけど、記事が示す警鐘を受け止めて、なぜこんなことになったかを、真摯に考えることも必要じゃないのかな・・・ 雇用と雇用保障の仕組みも確かにその要素の一つです (-.-)ウーン
そんなに単純に比べるべきものではない。
見出しを真に受けて、日本は没落しているんだ、と嘆く前に、なぜそうなっているのか、そして、それでも日本がただただ劣っている、というわけではなく、それぞれの社会が成り立っているのはなぜか、背景を追っていくほうがよっぽど意味があると思います。
日本のメディアの自虐記事と思いきやbloombergで海外コラムニストが書いた記事
グラフにされてしまうとなかなか悲しい気持ちになる国際比較
雇用流動性などの労働慣行にその原因を求めていて、もちろんそれもあるんでしょうが、根本的には生産性の低さや、海外で稼ぐ力の不足、そして労働分配率の低さなどのコンボなですね
ただ確かにすべての要因に雇用慣行が影響を与えてますね、、
おもしろい読み物。
なにより秀逸なのは、この記事のオリジナルの英語タイトル。
“It’s Better to Flip Burgers Than Work at a Megabank"
たしかに、と思ってしまう。しかし、日本の銀行員が、マックのメニューリストにある「ゼロ円のすばらしいスマイル」を提供できるかはなはだ疑問です。
「日本で一流大学を出てメガバンクに就職した人」は、今やっている仕事が好きなら、やはり実力をつけてアメリカで投資銀行を目指すべきでしょう。「実力をつけて」というところと、「好きなら」というところがポイントですが。
医療の存在も忘れないように。多くの国では民間の医療保険商品を使うことになるため、雇用の際の重要なベネフィットとしても考えられている。細かくみると会社によって、使っている保険商品の内容もそれなりに違う。医療費の高さを考えると(簡単に何十万単位、100万に到達する)、最も重要なポイントかも。
米国への出稼ぎが増えるのではないかと、私も考えたことがあります。

しかし、米国での生活費の高さを考えると、米国で通用するスキルを持った人間でないと割が合わないのではないかと思います。
(寿司職人が年収8000万円になったように)

日本の低賃金の原因が人材の流動性が低いことには異論はありません。
10年くらい前から、日本の厳格すぎる解雇規制の緩和・撤廃を叫んでいるのですが…私では影響力不足のようです。
アメリカは物価もべらほうに高いので、日本のメガバンクの給与レベルでもサンフランシスコ市では貧困層に分類される。

出稼ぎで外国に行っても、現地の物価が高いのでそれなりに生活は大変。NYでは一風堂のラーメンが3500円ですから。だから、自炊で金を極力節約して日本の家族に仕送りする。まるで発展途上国である。
米国の金利引上げ・燃料高騰による円安と、日本の賃金が中々上がらないファンダメンタルズの問題は、切り分けて考えたほうが健康的だと思います。

日本の経済社会の底力・素晴らしさも含めてかなぐり捨てて悲観的になるのはあまり得策ではないかと思います。

そもそも人は、そう簡単には住み慣れた土地、国を離れることはできませんし、それは大きな宝物や「根っこ」を失う不安やリスクを抱えることでもあります。

どういうライフスタイルを送りたいのか、それに尽きると思います。どっちが得とか損とかいうことはないかと。


因みに私は、「出稼ぎ」という言葉は、蔑みの暗喩、プライドの邪魔、ライフスタイルの否定など、百害あって一利なしだと思います。