【予測】「最後に勝つのはウクライナ」の6つの論拠
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戦争は、終わった後からが大変である場合が多いです。終わった後のことを計画しながら戦争を進めるのが、賢明なあり方です。
1945年の日本のように、戦争の終わらせ方も、終わった後の計画も作らないまま戦争を続けるのは、下の下です(日本政府は、唯一の希望として、ソ連に連合国との和平の仲介を依頼し、足元を見られて、満州や朝鮮、樺太、北方領土に攻めこまれました)。
この戦争の後は、少なくともロシアは大変なことになります。ローマ帝国の崩壊や、清朝の崩壊、ロシア革命の直後、というような、各地で諸民族の反乱が起きて、難民の流出や激しい内戦が続く可能性がかなりあります。欧米諸国や中国、日本も、そこに介入せざるをえなくなり、現在よりも多くの負担がのしかかるでしょう。
ウクライナも、楽観的な将来像は予想しにくいです。財政的にはすでに破綻していて、欧米諸国が債務の返還を先延ばしにすることを容認しているので、何とか国の体裁を維持しています。戦後、これまで以上に巨額の支援が注ぎ込まれて、急速な復興を遂げるとは考えづらいです。
単に国境線が2014年の前にもどって、安定した社会がもどってくる、ということはまずないでしょう。
戦争では先を読む能力が非常に重要ですが、結局のところ、先を読むことなど誰にもできません。物をいうのは、そこからリカバリーする力です。
1941年12月に、米国が太平洋艦隊の主力を失ったのは、先が読めなかった結果です。しかし、そこから世界最大の工業生産力によって従来に勝る規模の太平洋艦隊を短期間でつくりあげたのが、米国の国力です。
緒戦で大損害を蒙ったり、広範囲の領土を失ったりするのは、第1次、第2次世界大戦の英国や米国、ソ連にも起きたことです。そこからリカバリーする力のある国が最終的に勝ちました。
リカバリーする力は、単独ではロシアの方が持っています。しかし、国際関係上の孤立がロシアには不利に働き、ウクライナが持ちこたえています。
しかし、戦後復興まで支えられるような力は、両国ともありません。
この戦争の結果は、何十年も戦争が絶えない地域、アフガニスタンとかイエメンとかソマリアのような地域を、東ヨーロッパから日本海までの広大な範囲でつくりだしてしまうかもしれません。そうなると中国も大々的に動きます。
それに備えることが、日本にとっても本当の課題でしょう。説得力の高いインタビューではあったものの、唯一の不満は果たして「最後に勝つ」とは具体的にどのような状態を指すのか、ホスト側のその点の一段の突っ込みが欲しかった。
いずれかから敗北宣言が出るなどという事はあり得るのだろうか、無いとすれば停戦、休戦がせいぜいであって、そのためには協定の成立が必要だがとてもまともな議論ができる相手ではない、協定が成立しないとなれば永遠に戦争が続く。
つまり最後に勝つ、と、最後まで負けない、では意味が異なる。後者の意味とはさしずめ、戦争で負けずとも経済と生活はボロボロになり国際社会の負担も底なし沼となる、この地域が中東化するつまりテロリストの産地、大国代理戦争の受け皿、世界の不安定要因が地球に一つ増える、という事だろう。西側諸国にとって、ウクライナを支援するのは単なる人道的な行為ではなく、世界中の権威主義の暴走へ楔を打つことに他ならないと論じられています。
もしウクライナが敗北すれば、民主主義の結束の弱さが露呈したことになり、中国の台湾侵攻のリスクが高まります。
日本人にとっても決して他人事ではないため、ウクライナの支援を続ける強い意志を持つべきだと認識をしました。