「私事ですが…」突然の機内アナウンスに拍手と感動 機長と少年が歩んだ14年間に乗客「良い便に乗れた」
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米同時テロの前までは、パイロットに憧れたり、そこまででなくとも好奇心の強い子供が巡航中にコクピットを覗くなどということはどの航空会社でも日常的に行っていました。パイロットにとっては数少ない顧客サービスの一環であり、いやらしい言い方をすれば、パイロットもちゃんと会社に貢献しているぞというアピールにもなるようなものでした。もう20年以上前ですから、自分も正確には当時の業界の様子を知っているわけではありません。
また、パイロットのアナウンスについては、昔はよくパイロットの定年退職などといったイベントや、そうでなくとも景色の案内や揺れについての見通しなど割と気楽に行われていました。これもパイロットとしての腕の見せ所の一つのように扱われていましたが、最近は長々しいアナウンスは聞き飽きた、それよりも機内エンターテインメントを楽しみたいという声に押されて、端的で手短なアナウンスにあえてとどめるような風潮になっています。
こうした背景がある中で、純粋な気持ちで航空会社に手紙を書いた少年と、それに精一杯応えようとしたパイロットがいたという時点ですでに美談といえるのですが、驚きなのはその少年が数々の修行と試練をくぐり抜けて、晴れてパイロットの卵として採用が決まったこと、さらに帰省の足に付き添うようにそのパイロットが飛べたことです。
ちなみに無事パイロットとしての採用が決まった方ですが、今後は研修と称して地上職のいろいろな現場を経て、そこからようやく型式限定や定期運送用操縦士といったライセンスを得るための訓練に入っていきます。副操縦士として飛べるまで数年、さらに全ての訓練が終わって一人前の機長になったころには30代、40代という年齢になっています。浅井さんのメッセージは航空大学校を出てからがまた長いぞ、頑張れよというエールであったと感じました。
パイロットもAIに取って代わられる職業などと言われることがありますが、仮に全自動で飛行する旅客機が登場したところで、おそらくパイロットは一人は乗務するのではないでしょうか。職業の形は多少変わるかもしれませんが、いきなりパイロットという職業が消えてなくなることはないと思われます。どうぞ若い方にも安心してパイロットを目指してほしいと思います。Moment of truth. こういう心が動かされる瞬間のために人は生きていると思う。なお、スカイマーク社のブランドイメージ向上に大きく寄与することは言うまでもない。
浅井機長に乗務を認め、アナウンス内容を許容し、取材まで受けさせる会社の姿勢がそう言う時を生み出すのですよね。
しかも機長は最初にこの私的なメッセージを聞いて不快に思う人がいたら申し訳なかったと述べていらして、こう言ったコミュニケーションの指導も入っているのかと思いますし…素晴らしいコミュニケーションですね。こう言うの良いですよね…人と人の物語があって。
アメリカの飛行機に乗ってると、ベテランがリタイアするとか、プロポーズするとかなどのサプライズに時々巡り合いますが、その場の一員となれる事に心がホッコリしたことを今でも思い出します。