Here Are The Most And Least Expensive Ways To Drill For Oil
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原油価格下落が市場に波及しているので、原油価格を掘削という観点から解説した記事をPick。英語だがグラフがあり、またこのグラフ一つで本当に多くのことが分かる、ぜひ見てほしい。
このグラフは「コストカーブ」と呼ばれ、縦軸にコスト、横軸に生産量を置き、コストが低い順から横に並べていくもの。原油だけでなく、コモディティで一般的だし、メモリや海運とかでも使える物。
記事のグラフでは線と、色々な色の四角が出ている。線が実際のコストカーブで、四角は掘削方法ごとの違いとその影響を説明するために、掘削方法ごとにまとめたもの。例えば一番左にある「Onshore Middle East」が示していることは、平均の損益分岐原油価格は29ドルだが、安いものは20ドル弱で高いものは40ドル。2020年の生産量は2000万バレル/日。
昨夜50ドル割れしたが、それは何を示唆しているか?
・実線から、日産7000万バレルくらいまでは損益分岐点以上。BPのStatistical Review of World Energy2014によると、2013年の世界の生産は8675万バレルなので、2割くらいの事業者が損益分岐点以下。
・需要はそこまで変動しない(価格安で需要増えるくらい…)。生産過剰が落ち着いて、過剰生産が収まれば、9000万バレルくらいの生産として、そこにマッチする価格は80ドルくらい。つまり、赤字出しながら走るところがいなくなれば、そこくらいまで価格が戻る蓋然性が高い(その理論通りにいかないから市況は難しいのだが…)
・生産方式別で考えると、中東は損益分岐点以上(国家財政には影響甚大だが…)。一方で、シェールは大部分が赤字、オイルサンド(カナダ)はほぼ確実に赤字。
・NAM Shaleを除くと生産量は9000万バレルくらい(あくまで2020年の予想生産量ベースだが)。これは2013年の世界生産に匹敵。つまりここがここ数年で急増していることが、生産過剰(=価格下落)の大きな要因。