ラルフローレンが「盗用」=メキシコ伝統デザイン―大統領夫人
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その後、ラルフ側が謝罪しました。問題のカーディガンはこの記事のツイートでも見ることができますね。
https://twitter.com/thedailybeast/status/1583539605810266113
2015年ごろから、「脱・植民地化」の動きが高まり、文化の上下関係の「下」を強いられていた人々から、「上」のつもりで好き放題やっていた人々に対する非難が公然とおこなわれるようになりました。「上」(西側諸国)が「下」(アフリカ、アジア、中南米)の文化のいいところどりをして利益を得ている、という構図を背景とした「文化の盗用」非難はいっこうにおさまる気配はありません。
これもハラスメントと同じで、「された」側がどう受け止めるかが問題。微妙な盗用非難も中にはあるのですが、「つもり」はなくても、「された」側が不快と感じれば謝罪をするのが(今の時代では)まっとうな流れではありましょう。
文化の盗用ではなく、文化交流にするためには、両者がフェアな立場で(「上」も「下」もない立場で)話し合いを重ね、理解を深めていくしかありません。
全てのファッション企業は、こうした問題が起きることを前提に、異文化の問題に敏感にオープンに対応できる専門家をまず置くべきと思われます。「文化の盗用」は、日本だとキム・カーダシアンが手掛ける補正下着のブランド名に「KIMONO(キモノ)」とつけたのが大きな話題になりました。
https://newspicks.com/news/4169818
ファッションにおいて何が盗用で、何がオマージュなのか線引きは非常に難しいですが、今回Beatriz Gutierrez Muller大統領夫人が問題視しているのが下記のデザインです。
みなさんはどう感じられましたか?
https://www.instagram.com/p/Cj8LCU0Oosc/
ちなみに、こういったメキシコ先住民の伝統意匠がこ盗用されている件については、メキシコ文科相も過去にルイ・ヴィトンやマイケル・コースなどにも書簡で抗議を行ってきています。
https://www.wwdjapan.com/articles/1202789今回のことも“cultural appropriation“ 「文化の盗用」という言葉の持つ変化する意味と、それを踏まえてこれからの世界をどう創っていくか、を考える良い機会だと感じます。
その批判の対象を、人類にとって有用な異文化を学ぶことや異文化の融合によるアートにまで容易に広げる向きもあり、危うさも感じます。
抽象的ですが、「尊敬」「敬意」がその文化の使用の背後にあることが、基本だと思います。
もう一点は、「文化の私物化」。「自分がそれによって利益を得ていないか」という視点も大事だと思います。
今回の場合、このデザインを創る際に、創作チームにこの文化に深い造詣と敬意のあるメンバーが入っていたか、使われる文化側の利益も十分配慮して話し合ったのか。
単に謝罪するだけでなく、過ちを認識したら、それを正して行く行動に変えて行く努力をしていくことも大事だと感じました。