2022/10/16

空気を読んで笑うアンドロイドは、人間の友になり得るか

チーム・パスカル 理系ライター / 小説家
SF映画や小説の世界では当たり前のように登場する人型ロボット(アンドロイド)だが、2022年現在、人間と見分けがつかない見た目で自律的に行動して会話をするアンドロイドは、まだ実現できていない。
アンドロイド研究で世界を先導する大阪大学と株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)、さらに日本語の最高水準の音声認識システムを開発している京都大学の研究グループの共同研究によって、2015年にアンドロイド「ERICA」が誕生した。
人間の動作や音声を認識して適切な受け答えをし、相槌を打つことができるERICAは、多くの人々を驚かせた。
そして、2022年。京都大学の研究グループによってERICAに新たな機能が追加された。相手の笑いに合わせて笑う「同調笑い」である。
国際学術誌に掲載された世界初のこの成果は、国内外のメディアに大きく取り上げられ、さまざまな反響を呼んだ。
なぜ、相手に合わせて笑う機能を追加したのか。京都大学大学院情報学研究科の井上昂治助教、Divesh Lala特定研究員、河原達也教授がこのほど行った記者会見を取材した。
左から河原達也教授、井上昂治助教、Divesh Lala特定研究員=9月28日、京都大学で
INDEX
  • 共感するロボットには何が必要か
  • 相手に合わせた適切な笑いを選ぶ
  • 笑うアンドロイドはより人間らしい
  • 会話で生じる「不気味の谷」