この連載について
中国などの世界最新ビジネストレンドを紹介する週間連載。独創性にこだわりすぎず、競合の長所はすぐ学ぶ。「Think Different(異端であれ)」より「Think Different, Later(やってから考える)」な事例を取り上げる。
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Founded in 2003 and based in Palo Alto, California, Tesla is a vertically integrated sustainable energy company that also aims to transition the world to electric mobility by making electric vehicles.
業種
電気自動車
時価総額
78.0 兆円
業績
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日本のバッテリーの王者は、2009年末にパナソニックが買収し、パナソニックはその後Teslaへの供給のため巨額投資に踏み切ることになる。その名もギガファクトリー、それが2014年。
日本のエレクトロニクスメーカーで自動車を作ろうとという企業は現れなかった。日本にはトヨタを筆頭として、巨大企業がすでに複数あり、日本最大の産業であった。
エレクトロニクスメーカーにとって、自動車メーカーは大事な顧客。だからこそ競合化するような選択肢は取れなかった。
そして時代は流れ2020年1月のCESでソニーが自動車を作ることを発表した。
さて、振り返ってみると三洋電機にとって自動車メーカーがどれほど重要だったかということ。カーナビとかあったが既に対して儲からず、実質バッテリーを売る先をどう考えるかだけだったといって過言ではない。
パナソニックとトヨタの関係は根深い。そのパナソニックが買収したとこ、そしてトヨタがテスラに出資したこと、2010年前後の動きが、日本の命運を左右し、今のテスラの躍進、BYDの躍進に繋がった大きな転換期であった。
そして主戦場が全く違う。テスラが高級車に対してBYDは中級とタクシー・バスなど商用に強い。リージョンもBYDはほとんど中国国内、たしかにアジアではちょいちょい走っておりシンガポールでもバスやらグラブ配車もあるもののシェアとしては微々たるもの、他方テスラは中国国内含め十分な存在感を発揮している、マスクが中台政治問題にまで口出しするくらいである。
つまり新王者というより主戦場が違う東西の両巨頭といった見立てだろう。その意味で大陸の外ではM&A以外にほとんど存在感が無いアリババVS米国ビッグテックの構造に似ている。
それよりも問題はバッテリーのほう、こちらは国をまたいで日本勢が追いやられる程BYDとCATLにやられている。
中国の報道をチェックしていると、流行りの小型EVが投入間近だとか、生産能力を月30万台に増強するとか、景気のいい噂話がぽんぽんと流れてきています。
なぜこれほど強いのか?BYDジャパンの劉社長へのインタビューから答えが見えてきました。
その秘密は「20年以上前からEVのための準備を進めてきた老舗の歴史」、そして、つい最近までEVよりもガソリン車メインで作っていたことに象徴される現実主義にあるようです。
未来を追求してきたテスラを、現実主義のBYDが追い抜いた。この王者の交代劇はEV普及における一つの転換点なのかもしれません。
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https://newspicks.com/topics/china/
https://www.bloomberg.com/news/features/2022-10-06/even-after-100-billion-self-driving-cars-are-going-nowhere
http://image-sensors-world.blogspot.com/2021/12/byd-qvga-sensor-won-china-chip.html?m=1
車両の電動化が進む中、垂直統合できる数少ないプレイヤーになるのかも。
自工会の会長でもある豊田章男氏がEVに本気だとはとても思えない(bZ4Xの売り方などを見ても)、これが日本のEV普及を遅らせている。
トヨタは後発でも勝てるという考えがあると他で聞くが、そうではなくトップを突っ切って欲しいと思うのが国産車を応援する皆の本音では無いだろうか。
BYDの生産台数はテスラを超えたのかもしれませんが、世界的な広がりとブランド力はまるで違います。
しかし、だからテスラが良いとかBYDがダメとかいう必要はありません。
BYDも20年ちゃんとやってきたのですから、これからも着実に自分のブランドを伸ばしていけばいいと思います。
日本国内に政府の資金援助でEV充電網が整備されたら、一番売れるのはBYDでしょうね。
Teslaは、あくまで理想の実現を狙うのに対して、BYDは、記事中にあるように「現実路線のイノベーション」なのです。
今のBEV業界は「売れる分だけ作れるか?」の量産能力勝負になっています。
そうなると、BYDは圧倒的に有利です。コスト的にも有利で、完成度も高いので、米国以外では、その真価がわかれば、多くの支援者を得ると思います。
日本でも、レンタカーから始めれば、その良さを理解した人たちが買うのではないでしょうか?関税によりコストメリットが相殺されてしまっているのが残念ですが。
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません