[モスクワ/東京 8日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は7日、ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」の新たな運営企業を決める法令に署名し公表した。同事業には米石油大手エクソンモービルや日本の官民連合などが出資しており、権益を引き継ぐにはロシア政府に改めて申請する必要がある。

大統領令によると、ロシア政府は新たな国営有限責任会社を設立。サハリン1の権益20%を持つ国営石油会社ロスネフチの子会社が経営を担う。権益を保有するその他の企業は、新会社設立後1カ月以内に従来の出資比率に応じた株式取得に合意することを政府に申請する必要がある。

サハリン1の権益はロスネフチ子会社のほか、開発主体としてエクソンが30%を保有する。同社は4日、サハリン1からの撤退に向け協業相手との交渉を続けていると発表している。

日本も官民で作るサハリン石油ガス開発(SODECO)が30%の権益を持つ。SODECOに50%を出資する経済産業省の関係者はロイターの取材に「関係者と情報収集し、協議中」とした。SODECOのコメントは現時点で得られていない。

SODECOには伊藤忠グループや石油資源開発、丸紅、INPEXも出資する。

日本政府はかねてから、サハリン1、2とも権益を維持する方針を示してきた。ロシア政府はサハリン2も同様の形で権益を移管し、出資する日本の三井物産と三菱商事は新会社に改めて参画を申請し、承認された。

サハリン1にはインドの石油天然ガス公社も20%出資する。

サハリン1の石油生産は減少しており、ロシアのウクライナ侵攻前の日量22万バレルから7月は1万バレルまで減っている。