ことしのノーベル平和賞 ロシアとウクライナの人権団体などに
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30年に渡って、ロシアのNGO、メモリアルの活動と報告を見てきました。
2009年、メモリアルのメンバーの1人、ナターリア・エステメーロワが、チェチェンで殺害されました。プーチン政権下のロシア軍が、20万人以上のチェチェン人を強制収容所に抑留し、10万人以上を殺害し、村ごと皆殺しにするような虐殺を繰り返していたことを、世界に知らせたからです。
下手人は、現在、ウクライナでの戦争で、ロシア軍の強硬派としてやはり残虐行為に手を染め続けている「チェチェン共和国首長」ラムザン・カディーロフです。
当時から、プーチン政権とその頭目たちの際立った無法と残虐さは、メモリアルによって、世界各地でロシアの行く末を気にかける人々には、すでに知られるようになっていました。
メモリアルは、昨年12月、ロシア政府に解散を命令されましたが、どのみち、プーチン政権とは倒すか倒されるかの関係です。
メモリアルの人々が、命を失いながら、地道な調査と告発を続けてきたことで、プーチン体制の人道に反する数々の犯罪は、具体的な何十万人もの犠牲者の名前と証拠と共に、すでに検証されています。
受賞した3団体、ロシアのメモリアル、ウクライナの「市民自由センター」、ベラルーシの「ヴィアスナ」に共通しているのは、戦争犯罪、もしくは人道に反する罪を記録している、ということです。
今年のノーベル平和賞は、戦争犯罪と人道に反する罪を記録する活動に贈られたといえます。このような記録活動は、現在もミャンマーやエチオピア、イエメン、シリアなど、世界各地で命がけで続けられています。
戦争を抑止するものがあるとしたら、戦争犯罪を記録し、その記録を証拠として、犯罪者が確実に司法によって裁かれるようになることです。
チェチェンの女性人権活動家殺害される
https://www.afpbb.com/articles/-/2621514(コメントがなぜか消えてしまったので、再投稿させていただきます)
ノーベル平和賞を発表した方のChampion of human rights, democracy, a peaceful co-existence. という発言、どのように訳されるかは分かりませんが、Championには優勝者や優れた人、そして、戦士という意味があります。2022年にとどまらず、昔よりロシア・ウクライナ・ベラルーシにおける人権・民主主義・平和的共存のために、最前線で戦ってきた彼らを表すのにぴったりな言葉だと思います。
<追記:2020年10月8日>
今回のノーベル平和賞発表に差し当たり、受賞者の予想を発表してきたオスロ国際平和研究所は2022年の受賞予想に5つの人物および団体を示していました。そのショートリストの1つには香港の民主化運動に携わってきた(いる)周庭(Agnes Chow)、そして、羅冠聡(Nathan Law)が挙がっています。近年、香港の現状に関する報道はメディアから姿を消し、私たちは当時のことや香港の現状を「忘れつつ」あるのかもしれません。ある香港研究者は「『変わった』『死んだ』と言われ続けながら、その変化の中を生き続けてきた人々がいた」と語っていました。メディアで報じられなくなっても、私たちが忘れつつあっても、香港のみならず、タイやミャンマー、ベラルーシを含めた様々な地域で「そこに生き続け、抗(あらが)う人々」がいるという事実を決して忘れてはいけない、そのように感じました。
Henrik Urdal (30 September 2022) Nobel Peace Prize 2022: PRIO Director's Shortlist, Peace Research Institute Oslo (https://www.prio.org/nobelshortlist) (accessed 8 October 2022).それこそこういう国での人権活動は命がけ・・。フィリピンでも前大統領は強権ながら多くの国民の支持を集めてはいるがその一方で人権活動家やジャーナリストが殺害されたといった情報も入ってくる。また2大TV局の1つが営業中止にされるなどもあり自由な報道ができている国とは言えないみたい。
フィリピンに住んでいる日本人の間でも基本的には大統領の支持率は高いのだが、それをロシアに当てはめて考えてみると、ロシア人も多くがプーチンを支持されプロパガンダや言論弾圧なんかもあり普通にロシア入りした人は同じようにプーチンに好感を持つのだろうなぁーと思うとちょっと怖いと思った。