[東京 6日 ロイター] - 岸田文雄首相は6日夕、韓国の尹錫悦大統領と電話会談し、北朝鮮が短期間で立て続けに行った弾道ミサイル発射に対し「強く非難することで一致した」と述べた。北朝鮮の一連の行為は、日本や国際社会の平和と安定に対する「深刻な挑戦」だとの認識も示した。

会談後、官邸で記者団の取材に応じた。

岸田首相によると、電話会談は25分間行われた。日米同盟と米韓同盟の抑止力や対処力、日米韓の安全保障協力の重要性を確認。北朝鮮の非核化に向けて、関連する国連安保理決議に従わせるよう一段と連携していく必要があることも申し合わせた。

第2次世界大戦中の朝鮮半島出身者の労働問題、いわゆる元徴用工問題について韓国側から言及があったか、との問いには「日韓関係のさまざまな課題でごく短いやりとりあったが、ほとんどは北朝鮮を巡るやりとりだった」と述べた。

その上で、日韓で意思疎通を図っていくことは重要だと指摘。「日韓関係を未来志向のものにしていく努力は続けていかなければならない」と語った。

北朝鮮は9月末以降、立て続けに弾道ミサイルを発射している。6日朝も平壌周辺から2発の短距離弾道ミサイルを東岸沖へ発射。ここ12日間で6回目となった。

日韓関係は文在寅・前政権下、従軍慰安婦や元徴用工問題を巡って悪化した。特に元徴用工問題では韓国最高裁が日本企業に賠償を命じ、両国関係を一層冷え込ませる要因となっていた。

(杉山健太郎 編集:石田仁志)