[国連 5日 ロイター] - 国連総会が来週、ロシアによるウクライナ東・南部4州の併合宣言を非難する決議案を採決するとみられる中、ロシアは公開投票ではなく秘密投票で実施するよう働きかけている。

決議案は西側諸国が作成。同4州でロシアが強行した「違法ないわゆる住民投票」や「違法な併合の試み」を非難する内容。

国連安全保障理事会では先月30日に併合非難決議案の採決が行われたが、ロシアの拒否権行使で否決された。

ロシアのネベンジャ国連大使は加盟国への書簡で、決議案採決は「国連総会の分断を深め、加盟国の間をさらに引き裂くことを目的とする政治的かつ挑発的な動き」と主張。ロイターが内容を確認した。

加盟国は西側諸国の働きかけによって立場を公に示すことが難しくなるかもしれないとし、秘密投票が必要だと訴えた。外交関係者によると、秘密投票を行うには採決が必要になる可能性が高い。

欧州連合(EU)のオロフ・スクーグ国連大使は決議案について「国際社会が反応しない限り、誰も注意を払わず、他の国々がロシアと同様のことをしたりロシアの行為を認めたりするのに白紙委任状を与えたと主張されかねない」と指摘。

12日とみられる採決に先立ち、国連加盟国と幅広く協議を進めていると述べた。