プーチン大統領 “原発 政府管理下に” 支配の既成事実化 加速
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このザポリージャ原発をどのように活用するのか、私には皆目見当がつきません。3月にウクライナの電力系統運用者、NPC Ukrenengoは欧州ENTSO-Eが管理する欧州同期系統(CESA)との同期を開始しました。これにより、ザポリージャ原発はロシア方面への電力供給には極めて活用しづらい電源となってしまいました。この状況を打破するためには、ザポリージャ原発と接続されているNPC Ukrenengoの系統(現時点は750kV4回線、ザポリージャ火力発電所を介して330kV送電線6回線、150kV送電線6回線)を切り離す必要があります。
様々な課題があります。考えられる課題を列記しました。
①ロシアの系統運用者であるインターRAOによる、ウクライナ占領地域における地方給電指令所設置
②一次変電所における開閉器、コンデンサ等の遠隔操作機能奪取とインターRAO地方給との連携
③送配電線復旧班の配置
④(クリミアやロシア本土の火力の運用、変電所の運用次第では不要かもしれませんが)電圧維持用の火力電源の並列・同調運転
非常にハードルが高いと思います。
ザポリージャ原発をクリミアへの電力供給に活用するといった観測もありますが、クリミアにはザポリージャ原発がフル出力運転した場合に発電される電力に対応した電力需要はありませんし、送電系統も容量制約があり、送れる電気は限定的です。ロシア本土に送電する場合も、同じく送電系統制約に直面します。これほど巨大な電源を何に使うつもりなのでしょうか。
ちなみに、私は開戦前にTwitter上で「ロシアはザポリージャ原発を廃止する肚なのではないか。もしロシア軍政当局がザ原発の廃止を仄めかした場合、ウクライナは供給力不足に直面する。ウクライナ政府はロシア軍政当局と電力買取交渉を行わざるを得ないのではないか。」といった推論を述べておりました。手前味噌で恐縮ですが、私はこの推論が現時点で最も可能性の高いシナリオではないかと考えております。
注目のコメント
既にロシアは事実上ザポリージャ原発を占拠しているのだから、ロシア政府の管理下に入れるかどうかということで既成事実化するわけではない。IAEAも認めない政府管理を主張してどうするつもりなのかはよくわからないが…。