[5日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は5日、現時点で市場は適切に機能しており、連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制に向け「断固として」利上げを継続するという認識を示した。

FRBは「常に最後の貸し手としての責任を負っている」とし、市場が混乱するような事態となれば、FRBが介入に動くとも述べたが、足元では経済も市場もうまく機能しており、現在はそのような行動が正当化される状況ではないとした。

デイリー総裁はブルームバーグTVとのインタビューで「何かが破綻するまで金利を引き上げることはない。われわれは実際、将来を考慮している」とし、金融政策担当者はモデルに頼るだけでなく、企業などから情報を収集し政策を策定していると語った。景気を減速させる上で十分な措置を講じない、あるいはやりすぎるという「リスクに対し、データに依存し常に(政策を)調整している」とした。

その上で、FRBは現時点で「インフレが問題」であり、利上げを通じて「物価安定の回復にコミットしている」と述べた。

7日に発表される9月の米雇用統計が雇用減速の始まりを、来週発表の米消費者物価指数(CPI)が基調インフレ圧力の安定化もしくは弱まりを示すことを期待するとし、こうしたデータに基づき、FRBの利上げペースに関する自身の決定を行えるとした。

その上で「FRBが金利を制限的なレンジまで引き上げ、(インフレが2%に近づくまで)その水準を維持するという道筋は極めて明確」と言及。「インフレが再び低下することを確認するために当面は金利を維持すると考えており、われわれの道筋は変わっていない。高インフレ時はわれわれは脆弱な立場にいる。断固として物価安定を回復させる」と述べた。