[パリ 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるビルロワドガロー仏中銀総裁は4日、ECBはコアインフレ率を低下させるために必要なだけ金利を引き上げるが、そのペースは年末以降に鈍化する可能性があると述べた。

オランダ紙NRCで、4.8%となっているユーロ圏のコアインフレ率は過度に広範囲かつ高水準と指摘。「コアインフレ率を低下させるために必要なだけ金利を引き上げる」とした。

一方で、利上げは「銀行の純利益にプラスの効果をもたらす。したがって、欧州の銀行は一部で懸念されているよりも堅調だ」とした。

欧州の銀行はここ数日、スイス金融大手クレディ・スイスの健全性を巡る懸念から金融市場で圧力を受けている。

ECBは政策金利を7月に0.50%ポイント、9月に0.75%ポイント引き上げたが、ビルロワドガロー総裁はECBの次の動きが引き続き「秩序だった」ものであることが重要で、市場に衝撃を与えたり、金融情勢を過度に急激に引き締めたりしないようにすべきとした。

また、ECBは政策金利を「年末までにためらうことなく」経済を刺激も抑制もしない水準に引き上げるべきとし、その水準は「2%を下回るかそれに近い」水準とした。

ECBはその後、金融政策正常化サイクルの第2段階に入るが、これは「より柔軟で、おそらくより鈍化したものになる」と想定。「利上げがそこで止まるとは言わないが、インフレと経済の見通しを包括的に評価する必要がある」とした。