2022/10/18
【大宮エリー】子どものクリエイティブ力を「爆発」させる秘訣
NewsPicksが今年8月に創刊した、まったく新しい子ども向け新聞「NewsPicks for Kids」。
アウトプット力を高める体験の一環として、オフラインでの親子向けイベントも定期的に実施しています。
今回は、アーティストの大宮エリーさんを講師に迎え、9月17日(土)にアートワークショップを開催しました。
「子どもたちにクリエイティブの体幹を」という思いのもと、エリーさんが昨年からオンラインで全国の小中学生向けに開校し、直接ことばとアートの授業を行なっている「こどもエリー学園」。
そのなかから、“赤を極める”を「NewsPicks for Kids」のために、特別にショートバージョンで出張開講していただきました。
「赤をきわめる」とは
赤ペン一本で、青い海を描く。
子どもたちからは「えーっ」と声が上がります。
でも、その制限によって、クリエイティブ力が爆発します。固定概念が外れる面白さや、「24色、36色のペンを持っている人がすごいんじゃない。クリエイティブ力があれば1色でもすごいものができる」ということを体感できる、アートワークショップです(エリーさん)
大宮エリーと絵を描こう!子どもワークショップ※開催終了
「問いかけ」で創造力を引き出す
本イベントには20名の子どもたちが参加。
エリーさんはまず、子どもたちに夏休みにどこへ行ったか問いかけます。
「新潟行った!」
「オーストラリア!」
「沖縄に行った!」
子どもたちの回答に「いいね!」「すごい!オシャレ!」とあいづちを打つエリーさん。子どもたちの心をどんどん掴んでいきます。
そこから、今回のワークショップの本題へと入っていきます。
「海を赤色だけで描いてみよう!」とエリーさんが投げかけると、
「できないよ〜」
「血の海になっちゃう…」
と、子どもたちからは不安の声。
それを聞いたエリーさんは「じゃあ、ヒントを出していくよ」と言います。
例えば海っていっても、何時くらいの海を描く? 真夜中? 昼?
そのとき、空はどうなっている?
動物はいるの?
あったかい海なのかな? それとも冷たい海?
子どもたちの回答に対して、さらにイメージが膨らむように質問を投げかけ続けるエリーさん。
海にかかる雲はどんな形? 星や月はあるの? 周りを彩る植物はどう? ヤシの木はある?
海の中にサンゴはある? 流氷が流れている?
海は岸から見る? 空から見る? 海底から見る?
それによって、子どもたちの想像力が、どんどん引き出されていきます。
描くだけで「終わり」にしない
ここから、いよいよ手を動かします。机の上には、赤色のクレヨンと絵の具、筆と綿棒、赤の色紙のみ。
制限時間は9分です。
さて、子どもたちはどんな“海”を描いていくのでしょうか。
「作品が描けたら、自分で作品名をつけるまでが大事だよ」とエリーさんは呼びかけます。
タイムアップ後は、それぞれがどんな海を描いたのかを発表し合う時間です。
自分がつくった作品はどういうものなのか、どこがポイントなのか、を自分の言葉で伝える。この発表の時間を、こどもエリー学園の授業でも大切にしていると言います。
サメからミジンコまで海の生き物がたくさん描かれた「謎の赤い海」。
太陽を折り紙のちぎり絵で表現した「日の出」。
ハイビスカスの咲く崖から見た海を描く「カモメの旅」。
子どもたち一人一人の作品の違いや、こだわったポイントを拾い上げて、丁寧にコメントしていくエリーさん。
「折り紙を1枚そのまま貼ったのは芸術的!」
「太陽の光を四角で描くのは個性的でいいね!」
なんでここをこうしたの?など、“その子らしさ”を見つけてあげることが大事です。出来上がった作品について、おうちでもディスカッションをしてみてください(エリーさん)
「共同作業」で完成させる
全員の発表が終わると、ここでエリーさんから子どもたちへサプライズプレゼント!
エリーさんが一つ一つ手作りした金色の額に、自分たちで描いた作品を額装していきます。
子どもたちに「自分の作品なんだ」という意識を持ってほしくて、額を用意しました。額装すると、また絵の雰囲気が変わるのを知ってもらいたいという思いもあります。
額装を親御さんに手伝ってもらって、共同作業で完成させていくのも、いい思い出に。
家に帰ってからは、それをどこに飾るかを家族で話すことで、今日のクリエイティブの続きをやってもらえたらと思います(エリーさん)
最後の記念撮影では、みんなが誇らしげに、額に入った作品を見せてくれました。
赤一色だからこそ、子どもたちの創造力が爆発した、個性豊かな作品がズラリ。
参加された保護者の方からは、次のような感想の声が聞かれました。
すごい!赤に絞ったことで、みんなの個性が浮きぼりに! 赤だけで海(青)を描く。みんな困って、もっと大変な絵が出てくると思ったけど、なんと豊かでおもしろい!!
自由に絵を描く子どもたちの姿を見ていて、幸せな気持ちになりました。
兄弟でもだいぶ雰囲気の違う絵を描くのが、親としても驚きでした。
最後に、エリーさんが感想を尋ねていきます。
楽しかった?
簡単だった人?難しかった人?
そして…
うまくできた人!(全員元気に挙手!)
みんな、才能がかなり炸裂していましたね。
おもしろかったのは、最初は「無理」「できない」って言っていたのに、最終的にはみんな描きあげられたこと。
見たことがない絵ばかりで、私も楽しかったです。
実は今回、道具に綿棒を取り入れたのは、「こどもエリー学園」で綿棒を使って絵を描いた子がいたから。そうした知見もシェアできて、とても有意義な時間でした(エリーさん)
「NewsPicks for Kids」では今後も、キッズイベントを開催予定です。
・10月29日(土)【無料】山之内すずさんと2050年の未来予想図をつくろう!
🎨エリーさんの主宰する「こどもエリー学園」についての詳細はこちらから
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取材・構成:多田友希
編集:金谷亜美
デザイン:櫻田 潤
編集:金谷亜美
デザイン:櫻田 潤