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ガンダムの世界観自体は、1970年代の、富野由悠季監督個人の産物で、非常に当時の国際関係を反映しています。
 爆発する人口増加、人類の宇宙への進出がもたらす革新への過剰なまでの期待、そして、人類の宇宙進出が結局大量破壊兵器の誕生(ガンダムではコロニー落とし、現実では核兵器と大陸間弾道ミサイル)をもたらす狂気であったことへの絶望、それでもなお宇宙へ進出していこうとする期待と熱意、などが主な構成要素になっています。
 非常に、冷戦末期的な要素でした。
 当時は、40年もすれば少子高齢化が主な社会問題になるとか、宇宙進出よりも、AIの開発にはるかに多額の予算が投じられるようになる、とは、あまり思われていませんでした。

富野監督自身、1990年代になると作風が変わって、民族問題や宗教紛争、社会経済的格差、などが主な構成要素になっていきます。

しかし、戦争になってしまえば環境問題も人権も吹き飛んでしまう、というような、ガンダム世界の破局的観測は、普遍的な事実でもあります。
 モビルスーツの動力は、各機に搭載してある超小型核融合炉ですから、ザク1機でも、爆発すれば結構な環境汚染になります。
 ガンダムは、おおむね、世界の周縁に追いやられた人々が戦争を通して世界に復讐する物語ですが、これもまた普遍的に起きることで、技術の進歩は、時に多くの人々を戦争を起こすところまで追いつめてしまう、というのも、古くから知られていることではありますが、今も起きている普遍的な問題でしょう。
アメリカに居ることが本当に悔やまれます…行きたい!!!
「エンタメが社会変容にどんな力を持ち得るのか?」は映画研究をしていても絶対の命題と言っても過言ではないテーマで非常に興味があります。

一方、「社会がエンタメの変容にどんな力を持ち得るのか」という問題もあると思いますし、では、どちらが先なのかという鶏卵論争なんかに対する意見も聞いてみたい気がします。どんどん世界がSFの世界に近づいてきたことによりガンダムなど創作物の世界から学べることも増えてきている様な気がします。

実際に聞くことは叶わなさそうですが、自分も一人で考えてワクワクしたいと思います!