クレディSの債務保証コスト過去最高、株価も安値更新-市場動揺
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キンモクセイの花の香りがする時期に、
こういう記事を見ると、いやな気分になります。
それは、08年の金融危機を間近でみてきた人間の
習性かもしれません。
しかし、クレディ•スイスの株価低迷(業績不振)
は過去5年間ずっと続いている傾向で、今に始まったものではありません。
たまたまCDSの水準は、09年以来の水準かもしれませんが、リーマンショックのとき(マーケットの主要プレイヤーがサブプライムローンのポジションという同様のリスクを抱えていた)とはまったく異なります。
ひとことで言えば、クレディ•スイスという一金融機関の経営のまずさに帰着する問題です。
こういうケースでは、従業員を削減→経営陣の入れ替え→他社による適正価格での買収というのが普通で、よくあることです。
クレディ•スイス自体が、かつては買う側で、弱くなった米名門投資銀行ファースト•ボストンを手に入れた訳ですが、(ほぼ同じ頃、スイスのもう一つの大手UBSは、米ペインウェバーを買収)、攻守が入れ替わっただけです。
ウォール街では、こんなことは珍しくありません。
こうやって、マーケットは強くなり、力のあるバンカーは、クレディ•スイスがダメになっても、次に強くなった会社で上に行く、ただそれだけのことです。CS自体は、元々芳しくない状態のなかで、アルケゴスやWireCardなどで、最近は一層踏んだり蹴ったり。
細かく見てはいないが、金融機関各行は、金融危機以降の資本規制対応(資本増強、AT1拡充とか)などで昔よりはるかに強化されている。また金融システム全体としても一度経験したから対応しやすい側面はあると思う。
個人的には、CS一社というよりは、金融危機と同様に、アセットクラスレベルでの課題の方が気になっている。特に債券市場や、そこに紐づくデリバティブ、中国の不動産市場あたり(下記でコメントした点)。
世界の債券・株の価値、44兆ドル減 4~9月で減少幅最大
https://newspicks.com/news/7631100
Credit Suisse個社での、最近の動向もいくつか。あと、こういう時には大体UBSとの統合の話が出てくる…
ソフトバンク回りで、Katerra、グリーンシルなどが色々関わっていた(色々なリンクをコメントで貼ったこちらのPickで)。大体2020年末くらいから色々話題になっている。
クレディ・スイス、ソフトバンクGへの訴訟手続き着手=関係筋(2022年8月)
https://newspicks.com/news/7575967
クレディ・スイス、投資銀行縮小し富裕層向け注力 四半期は減益(2021年11月)
https://newspicks.com/news/6326942
クレディ・スイス、事業再編検討 UBSと合併も視野=関係筋(2021年6月)
https://newspicks.com/news/5964908
CS、アルケゴスへのエクスポージャーは200億ドル超=WSJ
(2021年4月)
https://newspicks.com/news/5788311
クレディS、投資銀「ファースト・ボストン」に名称変更検討-関係者(2022年9月)
https://newspicks.com/news/7575967
※週末の下記記事からのコメント転載
Credit Suisse Is at ‘Critical Moment’ as Bank Prepares for Latest Overhaul, CEO Says
https://newspicks.com/news/7632071欧州は、英国のトリプル安に伴う年金基金問題やユニパーをはじめとする電力会社問題を抱えている。
その中で、クレディスイスに対する不信感が広まっていくと、一気に信用収縮が起こる可能性がある。
インフレ下における、突然の信用収縮が起こると、ラストリゾートとしての中央銀行も機能せず、リーマンショック時点以上の、センチメントの悪化が起こる可能性もあるだろう。
ブラックスワンかもしれないが、中国の不動産不良債権もあり、FRBの強固な利上げ姿勢もあり、非常に不安定な状況がなんとか均衡しているのが、現在のグローバル経済だと思う。