「かっぱ寿司」運営会社を書類送検 不正競争防止法違反の疑い 警視庁
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たまたま大手の社長が関わっているからセンセーショナルなニュースになっているだけで、こんなのは氷山の一角ではないかと思います。小規模な企業だとこれに似たような話はよく耳にしますし、そのほとんどの企業が泣き寝入りするしかありません。転職に対するハードルが下がってきて、人材の流動性が高まっていることの反作用だとも思っています。
企業が長年かけてコツコツ積み上げてきたノウハウやデータは、その企業にとってかけがえのない財産(資産)ですあり、それをいとも簡単に台無しにするような行為を許していいはずがありません。この際、警察(検察)は徹底的に捜査・追及してほしいです。
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カッパ・クリエイト田邊公己社長(現職)は、2014年にはま寿司(ゼンショーグループ)取締役。2020年カッパ・クリエイト顧問。2021年現職という経歴ですが、2020年11月に「はま寿司」時代の元部下に依頼し、取引先のデータ等をメールで受け取っていたようです。
このことは「はま寿司」の運営会社「ゼンショー・ホールディングス」が社内調査でつかんでいました。送られたサプライチェーン(仕入れ先)の情報はコスト構造の分析や仕入れ価格交渉に使えば大きなメリットがあることから、この業界では最も重要な情報のはずでした。
本件に関し、「はま寿司」の運営会社ゼンショー・ホールディングズは自社で固めた証拠をもとに刑事告発を行っています。その結果、2021年7月、警視庁の強制捜査がカッパ社に対して入りましたが、このとき「流出したデータがカッパ社内でどのように活用されていたか」についても確認されていたと思います。
当時カッパ社は、田邊社長本人名で「当社役員の問題」として公表してもいました。以上の証拠等をもとに捜査が進んでいたはずでしたので、いつかは立件に至ると思われました。代表取締役承知のもとで社内で戦略立案に使った証拠が残っているため、この点だけをもって企業に対する立件があっても、不自然には思えません。
本件では、カッパ社はゼンショー・ホールディングズから損害賠償の訴えも起こされるでしょうから、企業イメージの失墜を含め、甚大なダメージを受けることになると思います。
人材の流動化が進んでいますが、機密事項の入手を目的として採用することも、機密事項をお土産に転職活動することもご法度です。今回のようなデータの盗み出しは証拠が残る「わかりやすい犯罪」ですが、前勤務先で業務上知った情報を口外することも不正であり、犯罪に問われる可能性があります。それを転職先企業が求めることも不正・犯罪です。
本人が有する「汎用能力」については、転職後に活用してもなんら差し支えありません(「職業選択の自由」で保証されます)。しかし退職前に所属していた企業にとれば、同業他社の戦力を高めないために、戦力が期待される人材をその業界に就かせないことも競争戦略上有効です。日本の企業では聞きませんが、戦略的な動きをする欧米企業では、退職する幹部に対し「相応の対価を払って同業界に就かせなくすることがある」と聞きます。このスピードで社長に就任したということは、水面下で社長になってもらう前提で交渉が進められていたと思います。
その中で、はま寿司の機密情報を持ち出すことを条件にしていた可能性が高いようにも思えます。
とした場合、それが社長主導で持ち出すことを提示したのか、それともかっぱ側が依頼したのか?
とした場合、いずれにしろ会社としても責任問われることは避けられないと思いますが、もし、かっぱ側が依頼したのであれば、話はもっと大きくなってくると思います。カッパクリエイトといえば、親会社のコロワイド主導のもとでの再建がなかなかハマらず短期での社長交代を繰り返し、今回の田邊社長を招聘して今度こそブランド復活の兆しを掴んだか?と言われた、どうしても何としてもすぐに結果が欲しい、苦しい状況下にありました。
今回の事件が組織ぐるみ、ともし立証されれば、指導してきたコロワイドの責任も問われないはずがありません。
さらに、さらにパワハラ社内報をはじめとした数々の強烈な伝説を持つ蔵人会長の体制是非にまで話が及ぶことにでもなれば、飲食業界の再編を引き起こすことも……?