「経営はアートだ」にしっくりこない、構造的思考が得意な人向けの説明
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注目のコメント
私自身は完全なアート型ではない(と思ってます)が、少なくとも、構造的思考寄りの人間でないのは事実です。
ちょっと粗い表現ですが「モノさえがあれば、それを使ってくれる顧客を見つけて、使ってもらって、好きになってもらうところまで持っていくことができるから、まず作ってくれないと」それに近い発想をすることもあります(もちろん、バックキャストや顧客インサイトからのモノづくり、仮説検証など、一連のプロセスを完全にすっ飛ばすことはないですが)
私にとって、記事のペンタゴンの図形の部分が、「使ってくれる顧客を見つけて」の部分であり、=「トップセールスで、大口顧客を見つけて、そのトップと話して、会社対会社でがっぷり四つに組む」というような一点突破?だと捉えています。
「事前に知りたい」とメンバーから言われることも、「エビデンスは?」「思いつきですか?」と言われることもあります。自戒として、心に刻んでおきます。とても面白いし、ここから色々考えさせられる点がある。
①一点突破の再現性がある人とない人がいる
ある人にしか見えないもの、というのがあると思っている。その人にしか見えないから説明しきれなかったり、説明しても理解しきってもらえない。だけど、正しいことが多い。
一方で、そこはセンスに近いもの。また、そこの成功体験があったとしても、一回当たったのと、再現性がある(ただ説明はしきれない)という場合がある。
②リスク特性や権力勾配、資源配分のバランスの難しさ
こういった一点突破はリスクテイク。そしてそもそも過去に何らかの成功をして、それを実現したいというリスク特性や、それが成功した創業者や責任者ということも少なくない。
だから権力勾配が発生する。権力があるからこそ、一定の資源配分もできるし、そもそも他の人が異を唱えにくい構造にある。だからスピーディに動けるメリットもあれば、本来であればチェックされるべき点がチェックされないデメリットもある。
③アートとロジックの融合が経営
人間がやる限り、すべて合理的にはならない。センスも重要だし、やる気も重要。一方で、成功体験からセンスあるんじゃねと勘違いするのが人間だし、やる気もアップダウンするのも人間。だから間違いもするし、執行考えない一点突破はやる気が下がったり失敗すれば「ほれ、見たか」といった感情は出てくる。
規模が小さいうちは、影響を受ける人も少ない。だけど規模が大きくなれば影響を受ける人も増える。だから、センス・トップダウンは必要だけど、暴走しないような構造(いわゆるガバナンス、プロセス)やそれをいさめる人、センスを持つ人を無条件に信じて実装力がめちゃくちゃ強い人など心理的安全が担保された個性が異なる経営チームの組成が、結局重要なのだと思う。
センスと組み合わせて、執行可能性を高める仕組み。それはアンチパターンに対するけん制や、アートばかりにならないようにすること。そのうえでチャレンジすると決めた領域は一丸となって実装までできること全部やる。