かっぱ寿司運営会社社長ら逮捕 不正競争防止法違反容疑 警視庁
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こちらにも書きましたが、回転寿司はベルトコンベアのシステム、仕入れ先、ネタ、商品等とても狭くて中小企業の多い業界です。
だからこそ同業他社の動向はある程度は掴めます。
細かなデータが手に入ればそれを元に価格交渉出来るし、次のフェアの企画も立てやすいでしょう。
（各チェーン、どうしてもフェア商品が被りやすくアイディアもそう奇抜なものは出ないので）
でも、やって良いことと悪いことの区別はつけないと。
これでネタの良し悪しまでが疑われます。
注目のコメント
普通ならやらない禁じ手を使ってまで結果を出したかった。
それが後にも先にも本音であり、動機ではないでしょうか。
ただ、仕入れ担当バイヤーというポジョンならば理解も出来ますが、社長というポジションでの立件、逮捕とは驚きです。
これが我々のような仕入れ担当者であれば、担当する商品の相場感が入っているので、頭の中のデータまでは罪に問われることはないにしろ、やはり倫理観としては前職で得た業績に関わる情報を使って、他社を出し抜く行為は事実だとすれば、業界全体のモラルにも関わる事だと個人的には思います。
いつの時代も人の欲というものは後悔さきに立たず
だからこそ、影響力のある企業の経営者は倫理観をもって健全なマーケットを維持、牽引していく必要があるのではないでしょうか。本件は「はま寿司」の運営会社「ゼンショー・ホールディングス」による社内調査で証拠が固られていました。それをもとに捜査が進んでいたはずで、いつかは立件に至るものと思われました。
「『かっぱ寿司』運営会社を警視庁が家宅捜索 他社の営業秘密侵害か」（TBS 2021年7月5日）
https://newspicks.com/news/5991136?ref=user_1310166
今後は損害賠償の訴えも起こされるでしょうから、カッパ・クリエイト社は企業イメージの失墜を含め、甚大なダメージを受けることになると思います。
カッパ・クリエイト田邊公己社長（現職）は、2014年にはま寿司（ゼンショーグループ）取締役。2020年カッパ・クリエイト顧問。2021年現職という華々しい経歴ですが、今回の犯罪行為は非常に残念です。
2020年11月に「はま寿司」の社員2名から取引先のデータを数回メールで受け取っており、これについては本人も認めていました。内容は不正競争防止法違反、つまりは「産業スパイ」行為です。
送られたのはサプライチェーン（仕入れ先）の情報が含まれ、コスト構造の分析や仕入れ価格交渉の使えば大きなメリットがあることから、この業界では最も重要な情報のはずです。
人材の流動化が進んでいますが、機密事項の入手を目的として採用することも、機密事項をお土産に転職活動することもご法度です。もし、産業スパイ行為と引き換えに社長ポストを提示した構図であれば、企業はさらに大きなダメージを受けると思います。しかし今回の行為は、ここまでの経緯を読む限りでは、転職した社長がさらなる業績を上げるために、元部下2名を巻き込んで行った個人としての行為に見えます。
本件について、カッパ・クリエイト社は2021年7月、ゼンショー・ホールディングズからの刑事告発を受け、田邊社長本人名で「当社役員の問題」として公表していました。外資系企業なら、辞めてから数年競合他社には行かない契約を結びます。5年も経てば持ち出した情報も古くなるからですが、それ以上に倫理的にもプロ経営者が同業他社に転職はしないもの。私はスシローの親会社の取締役会で指名委員長を務めさせて頂いていますが、仮に後継社長を選ぶにも同じ外食産業からは後任選びをしません。ゼンショーから社長を迎え入れたカッパクリエイトにもガバナンス上に問題があるといえます。
