[29日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は29日、米経済は英国での市場混乱の影響からおおむね守られており、英国の情勢が米見通しに影響を及ぼすことはないという見通しを示した。

イングランド銀行(英中央銀行)は28日、新政権が大型減税を柱とする財政政策を発表したことを受け混乱した市場の安定化に向け、650億ポンド(約694億ドル)に上る長期国債の一時買い入れを開始すると発表した。

ブラード総裁は、英国の状況を受け米資産価格も多少動いたとしつつも、「米インフレや実質成長に影響を与えるとは思えない。主に金融市場が英国で起きているような変動を織り込もうとする動きと言える」と語った。

同時に、米連邦準備理事会(FRB)は世界情勢による米金融安定への影響を注視しているとも述べた。

また、英国の年金基金の構造が最近の市場混乱の一因とも指摘。「世界の金融市場参加者の一角が(投資)戦略のリスクを認識していない、もしくはリスクを軽視していることは確かだ」とし、戦略を見直すよう呼びかけた。