[ワシントン 28日 ロイター] - 米商務省が28日発表した8月の財(モノ)の貿易赤字は前月比3.2%減の873億ドルで、2021年10月以来の低水準となった。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制のため積極的な金融引き締めを進める中、内需の減速を背景に輸入が減少した。

22年第3・四半期の国内総生産(GDP)で貿易収支が改善要因になることが示唆された。

8月は卸売と小売の在庫も大幅に増加した。

ムーディーズ・アナリティックス(米ペンシルベニア州)のシニアエコノミスト、ライアン・スウィート氏は「貿易は第3・四半期GDPのプラス要因となるはずだ」としつつ、「それでも第3・四半期はそれほど印象的なものにはなっていない」との見方を示した。

財の輸入は46億ドル減り、2671億ドル。石油を含む工業用品が6.9%減少した。

資本財は1.8%、消費財は0.2%それぞれ減った。食品、自動車などの輸入が増加したのが小売在庫を押し上げた。

財の輸出は17億ドル減の1798億ドル。自動車が8.9%減ったのが響き、工業用品は3.5%減。消費財は8.0%伸び、食品、資本財なども増えた。

8月の卸売在庫は1.3%増。7月は0.6%増だった。小売在庫は8月に1.4%増となり、7月は1.1%増えていた。

8月の自動車在庫は3.7%増。7月は3.5%伸びていた。

自動車を除く小売在庫は8月に0.6%増。7月は0.3%増えていた。