食品宅配インスタカート、ＩＰＯに向け人員削減や採用停止＝報道
コメント
選択しているユーザー
注目のコメント
昨年資金調達時の企業価値は390億ドルでしたが、一部既存投資家は147億ドルにマークダウン、さらに現在のDoordashの売上multipleを当てはめると56億ドルにしかならないという算出まであります。
それでも、この市況下でInstacartがIPOを急ぐのは、初期従業員のStock Grantの期限が迫っているためと言われています。
https://www.theinformation.com/articles/the-ugly-reality-of-instacart-s-ipo-plans
そして実はInstacartだけでなくStripeも同様の理由で、バリュエーションを下げてもIPOするのではという情報が出ています。
https://www.theinformation.com/articles/stripes-early-stock-awards-could-spur-ipo-plansShopifyもそう*ですが、オンラインサービスはコロナ禍で急激に伸び、それに対応するために各社とも急激に人員数を増加させました。一方、コロナが落ち着くに従い、その事業成長も落ち着いてきたため、その頃に採用しすぎた部分については削減に動いているように見えます。
日本ではありえないことです。これができることが良いか悪いかは別として、米国企業の強みかもしれません。
*Shopify、従業員1千人削減 ネット通販減速で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN26DVL0W2A720C2000000/Instacartは昨年3月に評価額390億ドルがついたのですが、上場テック企業の急落を受け、今年3月に社内評価額（ストックオプション発行時の409A Valuation?）を38%引き下げた240億ドルに見直していました。
昨年末時点でFidelity、T. Rowe Priceといった上場株にも投資している株主はテック株の動向＋Instacartの成長率鈍化を見て、すぐにInstacartの評価額を引き下げていたりもしましたね（②参考）。
①本記事の元ネタ
『Instacart Cuts Staff, Curbs Hiring in Run-up to IPO』
https://www.theinformation.com/articles/instacart-cuts-staff-curbs-hiring-in-run-up-to-ipo
②Instacartの社内評価の見直し
『Fidelity, T. Rowe Mark Down Instacart Stake by Up to 18%』
https://www.theinformation.com/articles/fidelity-t-rowe-mark-down-instacart-stake-by-up-to-18
また、FinTechスタートアップの王者「Stripe」もIPOを急いでいないというメッセージを出していましたが、来年に初期従業員向けに発行したストックオプションの期限が切れるそう。行使すると1人あたり数千万ドル規模でおそらく30名ほどなので、それなりの規模となるため、IPOに動く可能性もありそうです。
https://www.theinformation.com/articles/stripes-early-stock-awards-could-spur-ipo-plans
