2022/9/26

課題は山積み、若きCEOの難しき舵取り

動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の勢いが止まらない。
年末にも月間アクティブユーザーが18億人に達すると見られる。しかし、アメリカではプライバシー保護の観点から、連邦通信委員会(FCC)がアップルとグーグルに対し、6月28日にアプリストアからTikTokの削除を求める書簡を送付した。
TikTokを巡っては、トランプ前大統領が国家の安全保障の上で問題があるとして、2020年8月、TikTokや中国の決済サービスの利用を禁止する大統領令を出していた。
TikTokの新CEOとしてディズニーからやってきたケビン・メイヤー氏は、この大論争が勃発する最中、就任3カ月で同社を去っていた。
そこから8カ月、2021年5月に新たにCEOに着任したのが周受資(Show Zi Chew)だ。ハーバード大学のビジネススクールに通い、中国とアメリカのビジネスを知り尽くす彼がCEOを1年以上務め、どうTikTokを導いているのだろうか。
いや、質問は「導けているのか」ということかもしれない。
INDEX
  • 限られる意思決定権
  • 知られざるCEO
  • バイトダンスの支配力
  • 中国ビジネスの最前線で活躍
  • 中国主導で決まる方針
  • 財務で頭角を表すも...
  • 強まる警戒

限られる意思決定権