[23日 ロイター] - 米国株式市場は大幅安で取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的な金利政策が米経済を後退させるとの懸念の中、ポジション調整の売りが出た。

ダウ工業株30種は1月4日の過去最高値3万6799.64からの20%安をかろうじて回避。高値からの20%安は弱気相場入りを意味する。

S&P総合500種とナスダック総合はすでに弱気相場入りしている。

週間では、ナスダックが5.03%安と2週連続で5%超の下げを記録。S&P500は4.77%、ダウは4%それぞれ下げた。

トレードステーション・グループのマーケット・インテリジェンス部門バイスプレジデント、デビッド・ラッセル氏は「インフレがコントロールされつつあるという楽観論もあったが、FRBは事実上、そのような見方を黙らせた」と指摘。「FRBは雇用市場がまだ堅調なうちにインフレを止めようとしている」と述べた。

米宅配大手フェデックスは22日、需要の落ち込みで第1・四半期(6─8月)の利益が悪化したことを受け、2023年度に22億─27億ドルのコストを削減する具体策を発表。このような企業からの厳しい見通しも市場の重しとなった。

フェデックス株価は3.4%安となり、2020年6月30日以来の安値を付けた。

リフィニティブのデータによると、S&P500の第3・四半期の利益成長率予想は4.6%と先週の5%から低下している。

ゴールドマン・サックスは、S&P500の年末目標を約16%引き下げ3600とした。

OANDAのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は「FRBがどこまでやるのか、皆が再評価している。米経済のハードランディングがベースシナリオになりつつあり、それは米国株にとって最悪の環境だ」と述べた。

S&P主要11セクターは全て下落。エネルギーが6.8%下げた。景気後退下での需要懸念やドル高を受け原油価格が値下がりし、石油・ガス関連銘柄が売られた。

油田サービスのシュルンベルジェが8.4%安。ハリバートンも8.7%安下げ、1月3日以来の安値となった。

金利に敏感なハイテク株やグロース株も下落し、アルファベット、アップル、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、テスラが1.3─4.6%下げた。

会員制倉庫型ストアのコストコ・ホールセールも4.3%下落。第4・四半期の利益率低下が嫌気された。

米国株投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は29.92と3カ月ぶりの高水準となった。

米取引所の合算出来高は132億9000万株。直近20営業日の平均は111億1000万株だった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 29590.41 -486.27 -1.62 29955.6 29955. 29250.

5 65 47

前営業日終値 30076.68

ナスダック総合 10867.93 -198.88 -1.80 10952.6 10958. 10732.

9 30 72

前営業日終値 11066.81

S&P総合500種 3693.23 -64.76 -1.72 3727.14 3727.1 3647.4

4 7

前営業日終値 3757.99

ダウ輸送株20種 12129.30 -225.96 -1.83

ダウ公共株15種 978.52 -12.40 -1.25

フィラデルフィア半導体 2408.90 -35.35 -1.45

VIX指数 29.92 +2.57 +9.40

S&P一般消費財 1149.64 -26.99 -2.29

S&P素材 430.90 -9.01 -2.05

S&P工業 717.60 -13.67 -1.87

S&P主要消費財 724.50 -12.79 -1.73

S&P金融 516.93 -8.20 -1.56

S&P不動産 235.22 -3.10 -1.30

S&Pエネルギー 542.61 -39.27 -6.75

S&Pヘルスケア 1431.15 -7.72 -0.54

S&P通信サービス 167.08 -3.01 -1.77

S&P情報技術 2170.76 -29.75 -1.35

S&P公益事業 364.66 -4.34 -1.18

NYSE出来高 11.84億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 26425 - 605 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 26415 - 615 大阪比