2022/9/21

結局「遅く考える人」が賢い理由

NewsPicks編集部
「頭の回転が速い人」「即断即決ができる人」など、思考の速い人にはポジティブなイメージがあるだろう。
その一方で、思考の速さはさまざまな「エラー」につながることもある。「名前だけで、勝手に女性(男性)だと勘違いした」といった早とちりをしたり、似非科学や陰謀論のロジックに惑わされたりと、思考の速さがもたらすエラーは単純なものから根が深いものまで枚挙にいとまがない。
とはいえ、ただぼーっと考えているだけで、情報を正しく認識・整理できるわけでもない。遅く思考するためには「道具」が必要になる。
そんな「遅く思考するためのツール」を解説した話題の本が、哲学者の植原亮氏による新刊『遅考術(ちこうじゅつ)』(ダイヤモンド社)だ。
バリエーション豊かな例題を解きながら、登場人物らの対話と並走して思考を深めるうちに、読者の頭にも思考のツールがインストールされるという、新鮮な読書体験が得られる一冊だ。
本記事では植原氏に、「倍速時代」にこそ身につけたい「遅く考える技術」を伝授してもらおう。
INDEX
  • 「即断即決」の落とし穴
  • 人間は「連想マシン」
  • 「気持ちいいストーリー」に注意
  • 陰謀論は「人に優しい」
  • 哲学の「2大系統」を押さえる
  • 「人類の知恵」を借りて思考する