バイデン大統領、侵攻時の台湾防衛を明言 中国反発必至
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メディアでの同様の発言は4回目ですので、今度は誰も失言とは取らないです。一方で「一つの中国の原則は変わらず」とバイデン自身もホワイトハウスも言及。この芝居のようなやり取りが続いてきました。
ただ、次第に「いかにあいまい戦略をやめるか」が本格的に注目されるようになってきました。議会では先週、上院外交委員会で台湾政策法が可決されたばかり。台湾をNATO諸国などと同じように同盟国扱いし、防衛をしていくという内容です。
台湾政策法が上下院全体で可決され、大統領が署名するときは、長年続いたあいまいさから、「1つの中国」を放棄し、長年続いた台湾関係法をやめることを意味します。つまり、台湾への侵攻が現実的になった段階まで議会全体での立法化はありえず、「まさかの時のため」の対応です。
ところで「台湾政策法は中間選挙にどのような影響があるか」と先日も事情に詳しい方からご質問を受けました。台湾を積極的に守る意思を示すことはいまのアメリカの情勢で議員にとっては悪くない選択なのですが、実際の中国の台湾介入がまだないこの段階では選挙に直接影響するかは限定的。ただ、軍需産業などを選挙区に持っている議員は利益還元にはつながるのでメリットがあるかもしれません(数は限られます)。
24年大統領選挙は「いかにあいまい戦略をやめるか」が本格的に争点化していくかもしれません。もしトランプ、バイデンがどちらも出馬を見送る場合には、他の経験の薄い候補者にとって「外交安全保障に強い」ことをPRする場として台湾訪問を競うような状況にもなる可能性もあるのかと思います。
下記の高田さんの「「台湾有事は日本の有事」と言い切れるのか」ですが、バイデンと同じで「言い切ることが政治的メッセージ」です(日本側もあいまいにしてきました)。「そうは言っても台湾進攻なんて簡単には起きないよなあ」とウクライナ危機が起きるまでは思っていました。
前職時代に度々台湾を訪問し、友人も多いので本当に心配です。
ところで過去の台湾関係の外交文書を見てみると…
1972年の「米中共同宣言」で、アメリカは「台湾は中国の一部であるという中国の立場を認識(Acknowlegge)する」という曖昧な表現を使っています。
一方、日本は同年の「日中共同宣言」では「台湾が中国の不可分の領土たることの中国側声明を尊重する」と書かれています。
アメリカの「認識(Acknowlegge)」と日本の「立場を尊重」とには微妙な違いがあり、日本の方がより中国側に理解を示した表現になっています。
私は外交は素人なのですが、上記の経緯も含めて、「台湾有事は日本の有事」と言い切れるのか、専門家のご意見を聞きたいです。
台湾は日清戦争により日本の植民地になった歴史がありながら、親日感情が比較的高い。日本国民としては感謝を忘れてはいけない国です。中国の台湾進攻を止める役割を日本は負うべきだと思う。立場、姿勢、論調含め、従来と変わりません。中国の反発も文字通り「必至」であり、お決まりの、従来通りの反応がなされるだけです。
バイデン大統領の同様の発言は公の場で4回目ですが、党大会に向かう習近平国家主席が懸念するとすれば、米政権による同様の発言が頻繁化することで、中国共産党、解放軍、世論内部において、台湾に対して極端な行動を取るべきという圧力が高まり、自らの政治アジェンダが翻弄される局面だと思います。『台湾政策法』の動向も中国側は注視し、アジェンダの調整と実行につなげるでしょう。
バイデン氏の発言を受けるまでもなく、中国の台湾に対する総合的包囲と圧力は常態化し、軍事的行動も実戦化しています。ニューノーマルです。