米長期インフレ期待が低下、約1年ぶり低水準-ミシガン大指数
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ミシガン大学のConsumer Sentiment Index速報値に関する記事。こういう記事はネットに上がる見出しだけ見て脊髄反射的に動いたり、何かを言ってはいけないという典型なので、少しコメントします。
「ミシガン大消費者マインド指数:9月速報値は59.5に上昇」というのがネットに上がるこの記事の見出し。
それをタップすると、
「米長期インフレ期待が低下、約1年ぶり低水準-ミシガン大指数」という本当の見出しが出てきます。
一体アメリカのインフレは上がるのか下がるのか、どっちなのかと混乱する読者が多いはずです。
結論からいうと、「目先のコアインフレ率はまだ高いが、中長期では物価は低下するという見通しが支配的になりつつあり、消費者のマインドは改善してきた」ということをこの記事では言っている、というのが正解です。
経済統計は、特殊な用語が多く、しかもそれを英語から日本語に訳したり、メディアの記事にするときに記者がわかりやすくしようと別の言い回しを使ったり、専門的か知識が無い人が見出しを単純化しすぎてミスリードしてしまうことがあるので、注意が必要です。
ちなみに、ミシガン大のこの指数は、金融市場では非常によく注目されていて、当然オリジナルのリリースは英語で出てきますが、政府統計でないためか、
・消費者信頼感指数 - ロイター
・消費者態度指数 - 日本経済新聞
・消費者マインド指数 - ブルームバーグ
などと、日本語訳もバラバラなので、余計にわかりにくいです。エネルギー価格が下がれば物価騰勢は鈍る。といっても現在の良好な雇用環境では実質所得があがる、消費者のマインドは良くなる、消費意欲が高まるという可能性をこの調査は示唆している。
つまり、エネルギー価格が落ち着き、コストプッシュインフレを落ち着かせても、ディマンドプルインフレが沈静化するとは限らない、FRBはまだまだ金利を上げる、そんなわけですね。