[ロンドン 16日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が16日発表した8月の小売売上高は前月比で予想を上回る1.6%の減少となり、2021年12月以来最大の減少を記録した。主要小売セクターで軒並み販売が落ち込んだ。

ロイターがまとめたエコノミストの予想は0.5%減だった。

ONSは「食品店、非食品店、非店舗小売り、燃料の主要セクター全てが前月比で減少した。これはホスピタリティー業への法的規制が全面解除された21年7月以来のことだ」と述べた。

物価高が家計を圧迫し購買力が低下、英経済がリセッション(景気後退)に陥る兆しが出ている。8月のインフレ率は前月から減速したものの10%近くと高止まりしている。

ONSによると品目別では家具の販売が減少した。「価格上昇、やり繰りの不安から消費者が支出を抑えていることが、小売り各社の報告からうかがえる」と述べた。

アクセンチュアのリンダ・ペセリック氏も「厳しい冬を前に小売業者は顧客がすでに支出を抑えていると懸念している」と述べた。

エリザベス女王死去の服喪期間も小売業界には試練になる。国葬が執り行われる19日はさまざまな店舗が休業する。