2022/9/13

【解説】国連「ウイグル報告書」が訴える、中国の人権侵害

中国に、異例の勧告が突きつけられた。
8月31日、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、中国の新疆ウイグル自治区の人権状況に関する報告書を公表した。
報告書では、現地での視察や証言などを元に、中国政府による具体的な弾圧の実態を列記した上で「深刻な人権侵害が発生している」と断罪した。
そして報告書には中国に対して13項目に及ぶ改善要求も盛り込まれている。
国連機関がこうした形で特定の問題を取り上げ、要求を突きつけるのは異例でもあり、中国側は「偽情報のごった煮」と怒りを示している。
「ウイグル報告書」が持つ意味は一体、何なのか。そして報告書の要点は。NewsPicksが専門家の解説も交え、5つのポイントを解説する。
INDEX
  • 中国が「妨害」した報告書
  • ポイント①「テロ対策」を拡大解釈
  • ポイント②強制収容所は「存在する」
  • ポイント③拷問、性的虐待…収容所の実態
  • ポイント④イスラム教を監視下に
  • ポイント⑤中国政府への「13の要求」

中国が「妨害」した報告書

そもそも「ウイグル問題」とは何か。まずは、その経緯を簡単にひもといていこう。