森喜朗元首相を参考人聴取 東京地検特捜部、五輪汚職めぐり複数回
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産経が報じた「森会長への現金」について、朝日の記事は触れていません。昨日発売の週刊文春は、こんな検察関係者の話を伝えています。
「AOKIの青木拡憲前会長は『森氏に二百万円渡した』旨を供述しています。AOKIの関連会社が運営するカラオケ店『コート・ダジュール』で、一七年八月と一八年八月に百万円ずつ渡したと見られる。名目は、高額ながん治療薬『オプジーボ』を使う森氏への『見舞金』ですが、現金は高級和菓子店『虎屋』の紙袋に入れて渡されていました。甘利明氏の金銭授受問題を彷彿とさせ、『昔ながらの手法だ』と検察内部でも驚きの声が上がっています」（検察関係者）
この話が事実とすれば、お見舞い名目であることや、森会長の健康状態、その影響などから、検察はかなり判断に苦しんでいると思われます。
週刊文春はさらに衝撃的な森会長の発言音声を伝えています。
出版社枠の五輪スポンサーについて、森会長が語る音声が残っている。「講談社だけは相容れない」「こんなものを認めるなら辞めようと思う」。そして講談社は排除され、電通元専務がKADOKAWAを――。
以前、森会長が講談社を排除したことを文春の記者に話していました。職務権限にも関わる重大な発言です。
この音声が残っていることは捜査に影響を与えるかも知れません。今回の聴取は避けて通れないものだと思います。森氏は、けさのJNN/TBSテレビの記者からの問いかけには応じず、無言を貫きました。特捜部は組織委員会のトップだった森氏に対し、スポンサー選定をめぐる高橋容疑者の権限などについて確認したものとみられます。森氏は、AOKI前会長の青木拡憲被告らと面会したこともわかっていて、特捜部はこうしたスポンサー企業とのやりとりも確認したものとみられます。
贈収賄事件では、収賄側（受け取った側）の公務員が組織の中でどのような職務上の権限を持っていて、その権限を使って贈賄側にどんな不正な利益をもたらしたかが立証の重要なポイントになります。田中角栄元首相が罪に問われたロッキード事件でも、一国の首相に航空機の機種選定といった個別具体的な問題について職務権限があるのかどうかが大きな争点になりました。
今回、組織委員会の中でどういう権限を与えていたのか、スポンサー選定にだれがどう関与したのかを確認するうえで、組織委元トップに確認する必要があると判断したと記事は伝えています。
