2022/9/8

【認知科学】推し活で読み解く、人のこころの不思議な働き

NewsPicks編集部
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、認知科学研究者の久保 (川合) 南海子氏だ。
昨今、「推し活」という言葉がバズワードになっているのはご存じだろう。
漫画やアニメのキャラクターに感情移入し、二次元の絵や映像に実在を感じる。はたまた、実際に出会い触れることはほとんどないアイドルやアーティストの存在に大きな生きる意味を見いだす──
そんな「推す」という行為を「こころの働き」として解説した一冊が、久保氏の新刊『「推し」の科学』(集英社新書)だ。
同書では、「プロジェクション・サイエンス」と呼ばれる認知科学の最新の概念を用いながら、「推し活」が人間ならではの知的な営みであることを解き明かしていく。以下、前後編でそのエッセンスを久保氏に語ってもらおう。
INDEX
  • なぜ「ぬい撮り」がブームなのか
  • 推しを介して「世界を拡張」する
  • プロジェクションが彩る認識世界
  • リアルと虚構に「上下」はない