[国連 6日 ロイター] - ロシアのラブロフ外相は6日、国連とトルコが仲介したウクライナ産の穀物や肥料の黒海からの輸出再開について、合意ではロシアからの輸出も進めさせるはずだったとし、西側諸国が約束を守っていないと強く批判した。

ラブロフ氏は「国連総長がわれわれに約束したことを西側は履行していない」と主張。「世界がロシアの穀物や肥料に自由にアクセスするのを阻む運航・物流上の制裁の解除を決断しようとしていない」とも訴えた。この問題について自分は国連と協議するつもりだとも述べた。

国連のドゥジャリク事務総長報道官は「われわれはロシア産の穀物と肥料の輸出に向けて、既存の(西側の)制裁の枠組みを順守しながら多くの障害を解決する努力を続けている」と表明した。

ただ、トレーダーや業界アナリストは先週、9月のロシア産小麦輸出が8月の350万トンから400万トンに増える見込みだと指摘している。

ロシアのウクライナ侵攻で黒海が封鎖され、ウクライナ産の穀物や肥料の輸出が滞り、世界的に小麦価格などが高騰して食料危機の懸念が深刻化。両国代表は7月22日に国連などの仲介で、輸出再開と航路の共同監視を柱とする合意文書にそれぞれ署名した。