Metaが触覚技術スタートアップLofeltを買収。VR/AR用コントローラー等に応用か
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> エンジン音の音声ファイルから、車を運転する際の振動を引き起せます
ここ,ちょっと説明しますと,人の可聴域は20-20,000Hzです(Hzは一秒間に何回振動するかという単位です).時報の「ピ・ピ・ピ・ポーン」の最初のピが440Hz,高くなった最後のポーンが880Hzくらいです.
それに対して触覚は200Hzくらいにパチニ小体という受容器感度のピークがあり,1000Hz程度までの振動にしか感度がありません.また,40-60Hzくらいにマイスナー小体という別のタイプの受容器の感度ピークがあり,このあたりの振動も触感に強く影響します.
なので音声信号をそのまま振動にしてそれに人が触れても,20,000Hzまでの帯域のうちのわずか1000Hzまでの振動しか触覚に寄与しないため,思っているような振動感にはならないのです.音声信号から期待される振動感を推定して,1000Hzまでの帯域の中で適切に変換する必要があるわけです.
そのために,今はゲームなどにおける振動については,デザイナーが直接調整しながら作っているのだと思うのですが,それが映像音声から自動生成されるようになると,映画などの追加チャンネルとして非常に使い勝手が良いのではないかと思います.Lofeltは2016年頃に触覚技術を備えたリストバンド型のプロダクトを開発、直近は開発者向けツールを開発・提供していました。すでにLofeltはプロダクトの提供を終了しており、MetaのVR/AR部門でのacquhire(人材獲得)を目的とするM&Aですね。
興味深いのは公式からの発表は現在もされていないようですが、Metaの広報がWSJに対して本件の情報をリークしたこと。現在、FTCから独禁法違反の疑いでVR部門に調査が入っていてそちらの状況と何か関係があるのでしょうか。
WSJの記事:https://t.co/gX98DDW4yH