[5日 ロイター] - ロシア大統領府は4日、海底パイプライン「ノルドストリーム1」を通じた欧州へのガス供給再開を無期限で延期したことについて、欧州の対ロシア制裁がロシア国営ガスプロムによる保守点検作業を阻害したとして、欧州諸国の政府を非難した。

同パイプラインは保守点検のため3日までの予定で停止していたが、ガスプロムは2日、主要ガスタービンの油漏れを発見したため供給再開できないと発表した。

インタファクス通信によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は国営テレビのインタビューで「欧州側が契約上の義務があるにもかかわらず設備の修理を拒否するという全くばかげた決定を下しても、ガスプロムの責任ではない」と主張。「制裁を決定した政治家の責任だ」と述べた。

ロシアのノバク副首相は同じテレビ局に対し、タービンが作動し続けるためには、独シーメンス・エネルギーが保守点検に関する契約義務を果たす必要があると述べた。

契約上の修理義務に「完全に違反」しており、タービン輸送の条件も違反したと語った上で、カナダと欧州連合(EU)が導入した対ロシア制裁がタービンにも適用されるため、作動を継続するには制裁を契約条件に一致させる必要があると述べた。インタファクスが伝えた。

シーメンス・エナジーは、保守点検作業の委託は受けていないが、引き受けることはできるとコメントした。

ペスコフ、ノバク両氏とも、供給再開時期には触れなかった。