【山口周×KDDI】「選ぶ技術」が生死を分ける。リベラルアーツの正しい活かし方
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リベラルアーツと言うからなんとなくかっこいいものに見えますが、要は教養のことでしょう。みんなで教養をもう一度学び直そうと言うことです。
山口さんの仰ってる事を要約するとこうなります。即ち、経営科学は所詮戦術に過ぎぬから底が浅い。そうじゃなくて世界中のあらゆる基礎的な知識を学び戦略を得ようと。しかしそうなったとき日本人はついクイズのようなトリビアルな知の集積を持てばいいと考えがちになってしまう。本当のリベラルアーツはそうじゃないんだと、そう言ってるわけです。
しかし山口さんは「じゃぁ本当のリベラルアーツはどういうものなのか」そこから先を言わない。どうして言わないか分かりませんが、代弁させていただくとリベラルアーツとはアナロジー(比喩)のことなのです。
トリビアルな知の集積の話法とは例えばこのようなものです。「貨幣とは、商品の交換の仲立ちとして古代〜中世にかけて発明された概念。日本における最初の例は和同開珎とされる」。
このままで辞書を読めばわかるただの「情報」です。
しかしリベラルアーツの人は、例えばこう続けます。「貨幣の特徴として、価値の貯蔵、価値の交換材、価値の物差しになる、などの点が挙げられる。この点において、貨幣と言語は非常によく似ている」。ここには二つの概念を比喩する能力、言い換えれば「類似」の発見があります。
つまりリベラルアーツとは、雑多な情報から類似性、もっとはっきり言ってしまえば「本質」を見抜く技術のことなのです。
単なる情報から、AとBの本質が同じだと見抜くことでこの世界の情報を編集し、自由に並び替える「liberal 」技術「art」というわけです。これを使いこなすことで世の中をプログラムのように自由自在に書きかえることが出来るようになるというわけです。もちろん資本主義というゲームのプログラムも例外ではありません。
ただ身も蓋もないことを言うなら、これを学ぶのは義務教育の仕事のはずなのですけどね。
注目のコメント
リベラルアーツ、直訳すると「自由技芸」。
山口周さんのお話を聞きながら、
この「自由」というものはなかなか曲者だなと感じました。
固定観念や常識といった思考を縛る枠組みから解放してくれるのがリベラルアーツの本領。
その一方で広大な自由を手に入れると、それはそれで不安になってしまうのが人間の性。何事も選択肢が多すぎると、決められない。
規則の厳しい高校から大学に入学したとき、あまりのギャップに目眩がしたことを思い出しますが、VUCAと呼ばれるいまの時代もまた、決まったレールがなく、本人の選択次第でどこへでも進めてしまう点で、ある意味似たような状況と言えます。
先の見えない時代にビジョンを打ち出し、組織やチームを牽引するビジネスリーダーにとって、リベラルアーツは正しい選択をするための強力な指針になるようです。
ただこれは、ビジネスシーンに限定した話ではありません。なにせ我々、100年も生きることになりそうですし、人生そのものに照らして考えたいテーマです。
◆追記
リベラルアーツの学習コンテンツは数多くあり、「誰から学ぶか」が重要になってきますが、記事で紹介している「リベラルアーツプログラム for Business」は、講師陣の充実度が極めて高い。日本を代表する知識人が集まっています。
講師の一覧はこちら↓
https://aeonconnect.jp/liberal_arts/?utm_source=newspicks&utm_medium=referral&utm_campaign=tieup220909&utm_content=expert-catalog#expert-catalogリベラルアーツの習得には大きく2つの意義があると思います。
まず1つ目は、広く且つ高い視座が得られることで、物事を俯瞰して捉えられるようになります。多様な事象において、一見全く関連性がないように見えたとしても、往々にして、そこには共通する普遍的な真理のようなものが存在します。本質を見抜く習慣がつけば、未知の事柄に対しても、それなりに対処し得るようになると思います。
そして2つ目は、自分と異なる思考や行動をする他者の、その根底にあるものが何なのかを理解することが可能になります。また同時に、自分自身が知らず知らずのうちに縛られていたもの、影響を受けてきたものなどを自覚することができ、それによって束縛から自由になれるのではないかと思います。「Liberal Arts」は『人間を自由にする技』。
日本の教育課程では、美術や音楽の鑑賞教育に重きを置かず、「いつ」や「誰」という情報暗記を重視する傾向がある旨の記載がありましたが、リベラルアーツとの違いのひとつとして、
「いつの日か役に立つ知識」と「いつでも役に立てられる知識」なのかと思います。