【直言】あなたの組織に多様性が必要な「科学的根拠」
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「早く行くには1人で行け、遠くに行くにはみんなで行け」ということわざではないですが、「認知的多様性」が必要なことは間違いありません。ただ、ここでふれられていないのは、例えばCIAでもそうですが、盲点が生まれたのは「誰も気づかなかった」のではなく「気づいたけど声を上げられなかった」「声を上げたのに無視された」ということが多い点です。これは先日のNHK特集であったように戦時の日本軍でも見られたことです。大切なのは多様性そのものだけでなく、多様性を活かす組織環境であり文化づくりです。
同質性の高い組織において、メンバーの誰もが「常識」と思っていたことが、多様性のある組織では「そもそもそれは常識なの?」というところからスタートします。「常識」「当たり前」「前提条件」と思われていることが、実はそうではない場合も少なくありません。それに気づかせてくれるのが、多様性のある組織の大きなメリットの1つです。
同質性の高い組織に慣れ親しんでいると「それって『常識』?」とチャレンジされるのは、自分が信じてきたものを否定されるように感じられ、居心地が悪いと思うかもしれません。しかしその居心地の悪さに慣れることこそ、多様性のある組織づくりへの第一歩なのだと思います。「多様性が大切だよね」というのはずっと言われているのですが、本当に私たちってその意味を理解しているのか、その理由をきちんと説明できるのか、というのは私自身が答えを求めていました。
ともすれば、世の流行に乗ってフワッと語られがちな多様性、そしてパワーについて私が腑に落ちるような理解をしたかった時に出会ったのが、「多様性の科学」という本でした。
著者は英国の卓球オリンピックにも出場した卓球選手で、作家、BBCのコメンテーターと様々な活躍をするマシュー・サイド氏です。
このインタビューの中で私が刺さったのが、多様性をどこまで求めていくのかです。オリンピックのリレー選手を考える時も多様性が必要だといってしまうと、タイムが遅くても多様なバックグラウンドを持つ選手を選定することになってしまい、試合には負けてしまう。
じゃあ、どんな問題に対して多様性を考えるのか、どういう場合に多様性が力を発揮するのか、というところがとてもよくわかりました。
記事の中でもサイドさんが言っていますが、グループを作るときに全員日本人だから多様性がないとはいえないということです。国籍や性別、人種という違いでなくても、多様性は大いにもたらせるのなのですね。
明日は「多様性のパワー#2」として、ウェブの多様性を欠いたことで陥る「デジタル訴訟」、日本の企業がはまってしまう盲点についてお伝えします。