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貿易赤字の主因は鉱物性燃料であり、それ自体は政府の責任ではありません。

一方、日本人の海外出国はOKだが、外国人の日本入国はNGという政策の結果、旅行収支黒字は2020年や2021年よりも小さくなっています。円売り需給に加担しているとも言えます。こちらは政府の責任になるので直ぐに修正を求めたい非合理的な対応だと思います。
成長する世界の中で資源を持たない日本が成長しないということは、今の豊かさが続くということではありません。相対的に豊かになった国々に資源を買い負けて、国民は次第に貧しくなって行くのです。GDPは国内総生産と言われる通り国内で生み出される価値の総額で、需要が国民を豊かにするわけではありません。政府が借金し日銀が1万円札を無限に刷って需要を作っても、その需要が資源を含む外国の生産物に流れれば、日本は豊かになれません。加工貿易の時代は終わりましたけど、昔も今も日本の富の源泉は、国民が働いて産み出すモノとサービスの価値しかないのです。
日本が強かった時代、国民が積極的に蓄えた貯蓄は銀行の手で民間企業の設備投資に回り、外国に追いつけ追い越せと学生は必死に学んで勤労者は懸命に働き、技術は急速に伸びました。当時学んだ人々が近時にノーベル賞をとっているのが名残です。そして強さを増す円が日本の豊かさを一層引き立てた。
ところが1990年代以降次第に様子が変わり、今では企業は貯蓄する側に回って投資せず円安に頼って見かけの利益を増やし、家計と企業の貯蓄は銀行の手で政府の借金の穴埋めに回っています。競って学んで力をつけ、研究成果を競う雰囲気も鈍ったように感じます。そして何より、政治家からも国民からも頑張って働いて生産を増やし、世界に打って出ようという気迫が消えたように思います。そんななか、輸入に頼る資源価格が上がって日本の富が資源国に流出し、円安で労働力を含む日本の資産の価値が悉く下がっているのです。貿易赤字の拡大はその結果です。
財政支出と金融緩和のカンフル効果で痛みを避けて現状を放置すれば、残念ですが「これから日本はどんどん貧乏になっていく」というのは間違いのないところかと思います。国民と一部の医療業界の歓心を買うことにのみ力を尽くす現政権の新型コロナウイルスへの対応ぶり一つとっても、日本経済の先行きを真剣に憂えビジネス環境を改善する厳しい政策に乗り出す素振りは微塵も感じませんからね・・・  (*_*)
同じ貿易赤字でも、米国のように国内重要が旺盛なことに伴う貿易赤字は決して悪いものではないでしょう。
一方で、国内が需要不足にもかかわらず、食料・エネルギーの国内自給率が低いことで輸入金額が膨張する一方で、輸出競争力があるのに半導体不足や水際対策緩和遅れで財やサービス輸出が伸びにくいことによる日本の貿易赤字は悪い貿易赤字と言えるでしょう。
スタグフレーションの可能性が高まっています。欧米より労働賃金の伸びが弱い日本は、資源高によるインフレ圧力により脆弱です。この外部要因による痛みが長年日本が先延ばしにしてきた、労働市場の構造変化を後押ししてくれると良いのですが。
経済学的に言えば、貿易の赤字や黒字を良い悪いで語る事には意味はない。そういう事を言う人は経済が分かってはいない。もちろん、輸入資源価格が上昇すれば輸入国には不利益で、結果として貿易赤字になるかもしれないが、不利益の源泉は資源価格高であり、貿易黒字が保たれても不利益に変わりない。