日本半導体業界の失われた35年 TSMC誘致などで捲土重来なるか
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私の発言も引用されているが、やや誤解を招く感じかもしれない。
熊本のTSMCはソニー、デンソーも出資、JSAM、Fin-FETで、28から12nm量産工場。できれば、7nmも可能性。日本がTSMCに学ぶ。
筑波は、3Dパッケージの開発センター。こちらは、JOINT-2やRAASもあり、日本は優位。
これとは別に、日本版NTSCがあり、アルバニー(IBM)などと連携、ビオンド2nmをやるが、GAAというデバイス構造。
これからは、9月以降に見えてくるのでないか
詳しくは、https://most.tus.ac.jp/news/60654/
敗因は、分野別に異なるし、時期によっても異なる。
DRAMは、油断と日米協定で価格維持で日本勢が参入しすぎ、JEDEC標準化や品質拘りもある。
ロジックは、そもそも、強くなかったが、ファブレス/ファンドリの水平分業に対応できず、M&AやEDAやIPも弱い。
NANDやCMOSセンサー、パワー半導体は頑張っている。製造装置や材料も。
全体について言えることは、経営者の技術軽視、技術者の経営無視、リサーチ力と金融力なし。
なお、NANDフラッシュについては、たまたまでなく、戦略的、88年に当時の川西専務、武石研究所長、のもとで、舛岡さんがやった。私が会って話を聞いた。東芝は、フラッシュの特許と、NANDの特許があり、フラッシュ全体はインテルがNORで事業化したし、コストが安いNANDにした。89年にレポートをかいた、NANDもNORも含め95年に3000億円、2000年に1兆円、その通りにになった。途中厳しかったが、頑張った。サンディスクとの提携も良かった。
注目のコメント
日本の半導体の歴史の現在の状況を大体表しています。一部で誤解されている個所はありますが、一応指摘しておきます。TSMCが熊本で協力する日本企業は、前工程です。後工程の3DICは日本のイビデンなどプリント基板メーカーが協力します。
また、日本の半導体の衰退の最大の原因は、総合電機の経営陣が半導体やITを敵視してきたことです。詳しくは述べませんが、日本の半導体を牛耳ってきた総合電機の経営陣は未だに半導体に政府が力を貸すことを快く思っていません。
ただ、半導体経営側にも問題がありました。技術経営できない経営者が多すぎたのです。月産2000万個も量産していたDRAM製造をやめて、少量多品種のシステムLSIに変えてもまだ大量生産体制進めたからです。システムLSIでは工場に投資するのではなく、人とソフトウェアに投資すべきなのですが、相変わらず工場に投資を続け、結局利益を度外視した経営では沈むことは時間の問題でした。
長篠の戦いで織田信長に負けた武田家がその後7年も続いたように、ゆっくりと沈んで行くことが見えなかったのです。
東芝はまたまた特許を持っていたフラッシュメモリも保険的にやっておこう、と始めたことが幸運にもカメラ、携帯、そしてスマホへと発展したことで生き残りました。
ソニーは、裏面照射型CMOSセンサの開発を上司にしつこく食い下がって提案したエンジニアがいたおかげで、今日の地位を築きました。
ルネサスは、大企業同士の合併でゆっくり沈んで行きました。産業革新機構が資金を出して立て直しを図り、オムロンから作田さんをリーダーにしてリストラしたがその後の社長がダメでした。でも柴田さんが社長になってからは大きく変わりました。シリコンバレーのIDT経営陣をルネサスの大事な産業向けチップの経営陣に加え、もはや日本人は少数民族、と言われるほど、グローバル企業になりつつあります。2022年2Qの売上は前年同期比70%以上の成長という超優良企業に変身しつつあります。
総合電機を排除したルネサスは、海外からの注文をどんどん増やしており、これからの期待の星になりつつあります。ちなみに、先週TSMC熊本工場の建設現場を視察してきました。
まだ建物とか全然できてませんが、地元では稼働後を見越して住宅もお店も学校も足りないということで超好景気でした。