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駿台には凄い先生が多かった.当時は戦前の旧制学校出身の先生が多かったので,さながら旧制高等学校の様相でした.
何と言っても,英語の伊藤和夫先生.「受験英語の神様」.今でも増版されている「英文解釈教室」は名著.英語を正確に読むことを教わりました.今の子供は英語を時間をかけて精読することを教わらないらしい.伊藤和夫の英語は見直されるべき.ちなみに,授業を受けてみて,伊藤和夫先生の英語の発音は衝撃的だった.カタカナ読み.
鈴木長十先生.私のいた頃はもうお亡くなりになっていた名前しか知らない大御所.伊藤先生との共著「基本英文700選」は受験の前日まで書き込みと暗唱を繰り返し,実は今でも読み返すことがある.
数学の長岡亮介先生.夏期講習でぶったまげた.大学の数学科で習う「整数論」を講義していた.受験とは関係ない.でも数学好きにとっては自分は他の受験生が知らない本当の数学を知っているのだという優越感.その後,先生は放送大学の講師なども務めていた.
秋山仁先生.直接教わったことはなかったが,見た目の個性でテレビに引っ張りだこの先生.「例の方法」という変分原理(大学で習う)は役に立った.
物理の山本義隆先生.東大安田講堂事件の首謀者の一人.ベストセラー「磁力と重力の発見」の著者で切れキレの先生.
坂間勇先生.なぜ白衣?話し方が個性過ぎて良く分からない.高校物理の禁じ手である微分積分は当たり前.
私の中の「先生」のイメージは浪人時代に固まったと思う.いまだに駿台叢書も手放せない.
なので、単純な授業オンライン化では既存の塾はリプレイスできず、昔ながらの予備校が比較的強くありました。
コロナでリモート授業化が加速し、世間の学習に対する価値観も変化し、大人のリスキリングなどの新たな需要が生まれつつある今、それに答えられる教育の姿もこれまでとは違ったものとなります。
これから必要となる教育の姿は今はまだ誰も慣れていない新しいもの。ワクワクすると共に、しっかりと効果のある教育の仕組みを作っていかないといけないですね。
日本は良い大学を出ても給料が上がらなくなっています。
浪人をしてでも、良い大学に行けば生涯賃金が上がって、元が取れるという時代が、終わったのではないでしょうか。
いや、日本が貧しくなり、浪人を許せる家庭が減ったことが、原因かもしれません。
いずれにしても、昔の日本と変わってしまったという事です。
浪人生というパイに対して、かつ通う事が前提の予備校だと、ビジネスの広げ方が確かに難しい。
ただオンラインの充実によって、必ずしも校舎が必要になった事は、マイナスだけに問わず、固定費の大きな削減にもなる。
オンラインとリアルのハイブリッドや、合宿の時はリアルで行い、受験生同士のコミュニティ醸成を図るなど、色々今の時代にあった広げ方も模索出来そう。
日本の大学の入試を勝ち抜くには必ずしもクリエイティブな発想は必要なく、
予備校は友人を作る場でないからで、その意味で校舎の閉鎖は驚くべきことではないと言えるでしょう。
「700選」で有名な伊藤、鈴木の英語講義などは、とても素晴らしい講義だと聞きました。
高校の同級生も半分以上が浪人生になって東京や京都にいました。
大学数が増えたため浪人数が激減し、大学の合格レベルもどんどん下がってしまいました。
おまけに、国立大学法人の授業料が上がったため、地方から東京の予備校に通う生徒が激減しました。
記事にある「冬物語」よりも昔の「学問のススメ」(コンタロウ)は早稲田大学を目指す早稲田予備校の予備校生の物語ですが、今の受験よりはるかに難しい英単語などが出てきます。
私は、詰め込み教育は絶対に必要だと考えています。
新しいアイデアは、頭の中に詰め込まれた知識を新たに組み合わせることによって発生するものだからです。
モーツアルトも吉田松陰も詰め込み教育を受けてきました。
大学数を増やして詰め込み教育を大幅に緩和させてしまった文科省の罪はとても重いと感じています。
現に、日本の大学のランキングは下がり続け、論文引用数も減少してしまっています。
大学の集中と選択…今すぐに取りかかるべきです。
追記)
駿台予備校に推薦制度があったことを知っている人は多くはないと思います。
かなりの学力がないと駿台予備校には入れないということで、駿台予備校に合格すると「東大に1番近いところに合格した!」と言って自慢したと言う話を聞いたことがあります。
現宮内庁長官の西村さんが駿台での浪人時代にとても優秀な成績を収めたことから、母校の伊勢高校にも駿台の推薦枠ができたと聞きました。
実は私、東大の滑り止めに駿台の推薦合格をもらっていました(笑)
面接の時に「東大合格の自信はどうですか?」と問われて「五分五分です」と答えたら、「ウチと縁がなくなることを祈っています」と励まされました😅