5～11歳にワクチン「努力義務」 悩む保護者「正解ないから迷う」

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注目のコメント

• 稲葉 可奈子

  産婦人科専門医 医学博士

  ・2022年08月11日

  『努力義務』というのは、接種義務ではなくて、『接種するよう努力する義務』という意味。
  公衆衛生的に、国民の健康の保持のために国民が接種した方がよい予防接種について、接種の努力義務があります。新型コロナだけ特別なのではなく、麻疹風疹、結核（BCG）、ポリオ、HPVなど予防接種法で『A類疾病』に指定されている疾患を予防するための予防接種にも実は努力義務があります。
  
  ですので、予防接種の努力義務というのはなにもすごく特別なことではなく、分かりやすくいえば、
  
  有効性と安全性についてエビデンスが十分にあり、国民の健康を守るために国として接種をおすすめする予防接種
  
  ということです。
  この記事のタイトルに「正解ないから迷う」とありますが、悩む保護者の方がいはるのも分かりますし悩む気持ちも分かりますが、十分な情報とともにエビデンスに基づいて判断すると接種が望ましい、となります。ただ、人はだれもがエビデンスに基づいて判断して納得できるわけではなく、科学的根拠よりも感情（不安）が勝ることは珍しくありません。その不安は、ちゃんと知ることで解消されることもありますし、かかりつけ医など専門家に相談することで解消されることもあります。ただ、この「正解ないから迷う」という一保護者の気持ちをヘッドラインにもってくると、子どもの接種についてまだ正解がない、エビデンスが十分ではない、という印象を与えかねないのではないかと思いました。